NISAとiDeCoで失敗しないためのポイント
コロナで拡大する格差
新型コロナウイルス感染拡大が始まって、すでに1年以上経過しました。
変異株が広がりまだまだ不安はある一方で、着々とワクチン接種を進めている国もあります。
日本はご存知の通りまだまだワクチン接種がすすんでいません。
コロナによる経済への影響はまだまだ続くでしょう。
収入が減ってしまったり、解雇されてしまった人もいます。
世界各国では経済対策をおこなって世の中はお金がジャブジャブの状態です。
そうなってくると心配されるのはインフレです。
インフレ(インフレーション)とは物価上昇のことで、相対的にお金の価値が減る状態です。
例えばこれまで100円で買えたリンゴが、120円になり、150円になると、これまで持っていた100円玉ではリンゴが買えなくなります。
お金の価値が減っていく状態です。
通常であれば物価の上昇のみならず、賃金も上昇します。
需要が増えてモノが売れる。
企業の収益が増える。
給与が増える。
モノを買う。
というお金が循環する状態です。
お金は経済の血液というのがよくわかりますね。
適度なインフレは経済的に見れば理想的です。
過度なインフレは混乱状態です(ハイパーインフレ)。
ここまでになると、お金はあっという間に紙くずになります。
100円で買えていたリンゴが1年後に1万円に、、、
1,000万円の現金価値が100分の1になってしまう。
「そんなの昔の話でしょ?」
と言っても戦後日本では1945 年の水準からみて1949年に約70倍というハイパー・インフレ になったとされています。
近年で言えばベネズエラで2016年のインフレ率は700%だったそうです。
現代の先進国でハイパーインフレが起こることはなかなか考えにくいでしょう。
しかし不気味なのがスタグフレーションです。
スタグフレーションとは
物価は上がるけど賃金は増えない状態です。
働いても食えない人が増えることになります。
経済評論家などが日本経済がスタグフレーションにおちいる可能性を危惧しています。
不安をあおるわけではありません。
悲観的な記事の方が注目を集めやすいですしね。
しかし可能性がゼロでもありません。
投資をしている人としていない人の差が一気に広がっています。
コロナショックで暴落した株価は、その後一気に回復しました。
資産家と呼ばれる人たちはこの1年間で更に資産を増やしました。
あなたが資産家ではなくても、物価上昇リスクに備えることはできます。
インフレにしてもスタグフレーションにしても、現金比率が高ければ資産が目減りしてしまいます。
資産減少に備えるためには物価に連動する資産を持っておくべきです。
静かに物価上昇中?
コロナで家計の消費支出は減っています。
外出自粛で外食、レジャー・旅行の支出が減っているのが大きいでしょう。
逆に在宅勤務で水道光熱費が増えた人が多いようです。
他にもネットショッピングや動画配信サービスなどの利用も増えたでしょう。
全体的に見れば、コロナ禍でも収益が増えてる企業は少数です。
そして企業の収益が減って、給料が減ってしまった人や失業してしまった人が多くいます。
支出が減り、収入も減る。
通常であれば日本が長年苦しんできたデフレになりそうですよね。
デフレは物価も賃金も下がる状態です。
モノが売れない
企業の収益が減る
給料が減る
物が売れない
というデフレ・スパイラルです。
しかし現在、静かに物価上昇しはじめています。
アメリカの2021年4月消費者物価指数は、総合指数が前年同月比4.2%上昇しました。
これは2008年9月以来、12年7カ月ぶりの大幅な伸びです。
アメリカではコロナ禍をきっかけに住宅建設需要が強まり、木材の供給が追いつかなくなりました。
その結果、木材価格が高騰しているということです。
木材以外の原材料費や中古自動車なども高騰しつつあって、物価上昇の波が静かに忍び寄っています。
ワクチン接種がすすみ、コロナが収束するとこれまで控えていた旅行や外食が一気に増える、いわゆるリベンジ消費も予想されています。
一気に需要が増えて供給が追いつかない。
価格が上昇する。
そんな事態が日本でも起きてくる可能性があります。
物価上昇に合わせて給料も増えれば、景気が良くなるという点でいいのですが、給料が増えなければ、、、
スタグフレーションという最悪の状況になる可能性もあります。
日本以外の先進国はこの30年間でしっかり実質賃金が増えました。
当然物価も上昇しました。
しかし日本は実質賃金がほとんど変わらず、相対的に日本は安いものを喜ぶ貧乏な国になってしまいました。
近年インバウンドで盛り上がってたのは、冷静にみれば
「安い国日本」
に外国人観光客が押し寄せていたのです。
世界がコロナを克服し、再び経済活動を開始したときに、日本がポツンと置いていかれる可能性は否定できません。
物価上昇している(お金の価値が減っている)のに、現預金がほとんどの日本人はみるみるうちに資産を減らしてしまいます。
投資をする、しないは自由。だけどその差は開き続ける
投資をする、しないは自由です。
1円たりともお金が減ることは許せないと考える人もいますから。
ただコラムで何度も言ってますように、超低金利の先進国では預貯金でお金は増やせません。
普通に働いているだけでは給料もほとんど増えません。
頑張ってコツコツ貯蓄した3,000万円も、インフレになるとその価値は減っていきます。
それでもかまわないというなら、しっかり働いて貯蓄をすればいいでしょう。
しかし、多くの人は
「それでは困る」
となるはずです。
ではどうすれば良いかと言うと
「物価上昇(インフレ)に連動して増える資産を持つこと」
です。
別に株式や投資信託だけではありません。
不動産でも、金塊でも、ビットコインでも、高級時計でも、ストラディバリウスでも、クラシックカーでも、ビンテージワインでも、、、
物価が上昇に合わせて価格も上昇する資産を少しでも持っておくことです。
資産の100%を現預金で持つ人
資産の80%を現預金、20%を上記資産で持つ人
であれば、後者はインフレリスクに備えていることになります。
ちなみに上記の資産、お金持ちが大好きですよね。
お金持ちは価値が減りにくいもの、増えることが期待できるものが好きだからです。
あなたが買っているものは、5年後、10年後に価値が減りにくいものでしょうか。
インフレやスタグフレーションになるかどうかは私にはわかりません。
しかしその備えをしているのと、していないのでは大きな差があります。
もしもスタグフレーションになって、日本各地で治安が悪化し暴動が起きるようなことになったら、、、
資産家と呼ばれる人たちは日本を離れていくかもしれません。
「最悪の事態に備え、何もなければそれでよし」
そんなふうに考えています。
まとめ
コロナは変異株の広がりもあって、まだまだ油断できません。
その一方でワクチン接種が進んでいる国もあります。
そしてこれまでの反動で爆発的な消費で一気にお金が動き始める気配もでてきています。
原材料費が高騰しはじめていることと、株価上昇していることからも、現金の価値は減少し始めています。
物価上昇に負けない資産を持つ。
現預金、しかも日本円しか持たないということは、インフレリスクがあります。
少しずつでもリスク分散した資産配分(アセットアロケーション)をしていきたいですね。