個人事業主にとってiDeCoが最強の節税になる理由
資産は貯蓄だけ、増えないけど減らないから安心?
貯蓄が1000万円以上のあなた。
素晴らしいですね。
高収入でも支出が多くて貯蓄できない人も多いですから。
平均的な収入でそれだけ貯蓄ができているということは、ムダな支出をおさえてきたはずです。
「頑張って貯めたお金。投資は怖いし、預金は増えないけど減る心配はないから」
こう考える人は多いです。
現在の日本で定期預金をしても年率0.002%程度です。
1000万円を定期預金に入れておいても、1年間で200円しか増えません。
しかも20.315%課税されるので約40円引かれてしまいます。
「ほとんど増えないのはわかってるけど減ってしまうよりまし」
そうですね。
引き出しにしまっておくと、強盗や火事で失ってしまうかもしれません。
金庫がわりに利用しているのはわかります。
でも
「お金の価値が少しずつ減ってますよ」
と言われたらどうでしょうか。
すぐにピンとくる人は少ないかもしれません。
「物価が少しずつ上ってますよ」
と言われれば
「そう言われればニュースでもインフレ目標が2%とか、食品が価格は据え置きだけど量が減ってて実質値上げとか言ってたなぁ」
物価上昇(インフレ)=お金の価値が目減りすること
です。
もう少し具体的な例を出してみましょう。
去年500円だったラーメンが、今年510円に値上がりした。
2%の価格上昇です。
あなたが持っていた500円では今年はこのラーメンは食べられなくなってます。
その後も10年間2%上昇を続けると、1杯のラーメンは610円になります。
100万円だったものやサービスが10年後に121万円になります。
世の中のあらゆるものが物価上昇すると、相対的にあなたが持っていたお金の価値が減ったことになります。
お金増えてますか?
日本政府は物価目標を2%に設定しています。
実際にはいまだに達成していません。
しかしそれを実現するために「異次元」とも言われる金融政策をおこなっています。
収入がなかなか増えないなか、静かに物価上昇や社会保険料や増税で支出が増え、貯蓄の利息はわずかしか増えない。
少なくとも2%程度は資産が増やしていかなければいけません。
貯蓄しかしない、投資しないリスクというのはインフレに負けてしまうことです。
実際には物価が上昇し始めれば、金利も上昇して景気も良くなり始めるはずです。
ただそれには時間差があります。
全財産とまでは言わないにしても、資産の一部をインフレに負けない場所においていますか?
円資産だけしか持っていないのもリスクです。
円安になれば円の価値が下がり、相対的に外貨が高くなります。
輸入品は高くなり、国内の輸出産業は好調になります。
「外貨預金をしておいたほうがいいの?」
それもリスク分散の一つの方法です。
でも手数料がかかりますし、通貨が価値を生み出すわけではありません。
やはりごく普通の人が日本円で貯蓄する以外でやるべきことは
「世界経済に投資する投資信託を保有すること」
です。
毎月得られる収入の一部を自動で積み立てる、積立投資がオススメです。
楽天証券やSBI証券などの大手ネット証券なら購入手数料も無料です。
銀行口座から毎月定額が自動で引き落とされて投資信託を購入できます。
しかも月わずか100円からの積み立ても可能です。
万が一、日本経済がボロボロになっても、円安になっても、急激に物価上昇を始めても、成長する世界経済に投資しておけばリスクを減らすことができます。
じつは私たちの大切な年金もガッチリ運用されています。
年金積立金管理独立行政法人
2001年度以降の収益率が3.09%、累積収益額は74.9兆円です。
なにで運用しているかというと2020年度は
国内株式
国内債券
外国株式
外国債券
です。
2020年度の運用状況
適度にリスクをとって着実に増やすお手本のようなものです。
少額でいいから投資信託でコツコツ積み立てる
リスクを恐れてリスクをとらないこともリスク。
貯蓄しておけば減ることはないから安心、ではないことをわかっていただけましたか?
リスク許容度は人によって様々です。
資産のほとんどをリスク資産にして、コロナショックのようなことが起こっても平気な人もいますし
ちょっと減るだけでも心配で夜も眠れない人もいます。
まずは少額から値動きを体験してみることをオススメします。
たとえば毎月1万円で世界経済に投資する投資信託を積み立てる。
1年後に積み立てた12万円が暴落して、6万円の価値になって自分はどんな気持ちになるのか。
「大丈夫、きっとまたいつか上昇する」
と思えるのか
「やっぱり投資は怖い」
と思うのか。
前者なら積立額を少しずつ増やしてみればいいですし
後者なら積立額を減らしてみればいいんです。
大切なのは
「暴落しても積み立てをやめたり、慌てて売らないこと」
です。
フィデリティ証券によると2003年~2013年の調査で投資の成績が良かった人の属性の1位は「亡くなった人」
2位は「運用しているのを忘れている人」
だそうです。
余計なことをした人より、放ったらかしにしてた人のほうが成績が良かったわけです。
2021年1月現在、コロナ禍にかかわらず株価は絶好調です。
コロナが収束して経済が復活することを見込んで買われています。
しかしいつか買われすぎたものが売られてドーンと下がるかもしれません。
でもそれは長期的に見れば雑音にすぎません。
10年や20年の期間でみれば、世界経済はこれからも成長を続けるはずです。
私の考えでは、人口減少と高齢社会の日本はこれから衰えていくだけで、いかにその影響を少なくするかということでしょう。
せめて資産の一部を成長する世界経済の波に乗せておくべきです。
貧しい国日本は想像したくありませんけど、そのリスクに備えておく必要はあります。
日本人の現預金は1000兆円を超えています。
ほとんど増えない場所にこれだけ巨額のお金が置かれています。
せめてこのうちの10%でも投資に回れば世の中はかわります。
iDeCoやつみたてNISAは利用すれば確実に有利な非課税制度です。
これは
「年金制度は崩壊しない(させない)けど、税制優遇する制度を作ったから
自分で資産形成して将来に備えてね」
というメッセージを発しているのです。
日本人が当たり前に投資する時代になるにはもう少し時間がかかりそうです。
「みんながやってるから」
ではなく、まず少額からでも始めてみることを強くオススメします。