女性スタッフによる「あなたの生活見守り隊」が空き家の悩みに寄り添います（3/3）

見送る人・見送られる人が地域で心穏やかに過ごせることを願って活動

　佐々木さんは地元・広島の銀行に就職し、自立を目指して宅建士の資格を取得。さらに猛勉強の末、わずか半年で難関の土地家屋調査士の試験にパスし、26歳で独立しました。

　「バブル崩壊やリーマンショックもありましたし、プライベートではシングルマザーとして子育てや親の介護に奮闘しました。公私ともに、さまざまな局面を乗り越えてきた経験が糧になっていると感じます」

　境界線の調査や確定といった案件では、粘り強い交渉に「あなたの話を聞くと、意地を張ってもしょうがない気がしてきた」と態度を軟化する人も。隣人や親族間の対立といった難しい場面でも思いやりを忘れず、関係者一人一人の納得感を引き出してきました。

　「2人の娘は今、助産師と看護学生。不動産の仕事は人生の節目に立ち会うことが多いのですが、命の始まりと終わりに向き合う娘たちから学ぶことは多いですね。人生のエンディングを迎える方、見送る方、どちらも心穏やかに過ごしていただきたいというのが私の願いです。ビジネスではあるのですが、ボランティア精神と社会貢献を心掛けていきたいと思っています」

　YouTubeやSNSなどで「あなたの生活見守り隊」について発信し、困りごとや悩みを解決するとともに、雇用を生むことも視野に入れています。
　「シニアの方やダブルワークをしたい方など『働きたい』という皆さんがサービスを支えてくださるようになれば、地域にとって良い循環が生まれるのではと考えています」

（取材年月：2024年3月）

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