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素材からはじまる建築

テーマ:広島家づくり

木材市場で見えたもうひとつの可能性



料理が好きな人は、
おいしいものを食べに行きます。

そして、
素材にこだわる人は、
その土地まで足を運びます。

産地に行き、
素材そのものに触れることで、
料理の幅が広がっていく。

その感覚を、
建築で体験しました。

はじめて訪れた木材市場。

市場に足を踏み入れた瞬間、
並んでいる木を前に、
少し胸が高鳴りました。

どこか懐かしく、
それでいて、
これから何かがはじまるような感覚。

一本一本の木を見ていると、
ワクワクとドキドキが、
ゆっくりと広がっていきます。

市場に並ぶ、
さまざまな材種や形状の木を見ていると、

いつも使っている文法のなかだけではない、
使い方のアイディアがあふれてきました。

どこに使うかではなく、
この木から何が生まれるのか。

素材から発想するという、
もうひとつの入口です。



柱として見ている木の断面を見ていると、
そのままスライスして並べてみたくなる。

年輪がひとつひとつ現れて、
それぞれが違う時間を持っている。

それらを並べることで、
壁や床として広がっていくイメージが浮かびます。

市場に積まれているだけの木が、
建築の仕上げの一部に見えました。

料理のように、
素材の出し方で印象は変わります。

切り方や見せ方で、
同じ木でもまったく違う表情になる。

これは建築でも同じです。

けれど今の建築は、
すでに加工された材料を前提に、
どう組み合わせるかで考えることが多くなっています。

効率や均一性を求めるなかで、
素材そのものに触れる機会は、
少なくなってきました。



その一方で、
木は一本一本ちがい、
同じものはふたつとしてありません。

その違いに触れることから、
空間の発想はもっと自由になっていくはずです。

素材に触れ、
そこから考えること。

それは、
つくる前にととのえる設計の原点でもあります。

大手が山から直接仕入れる時代のなかで、
私たちにできることは何か。

素材の個性を受け取り、
それをどう空間にひらいていくか。

そこに、
小さな設計の可能性があるように感じています。

加工する前に、
素材を知る時間。

木にふれ、
感じたことを言葉にし、
そこから空間を想像する。

そんな場を、
これからひらいていきたいと思います。

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ねぎもとあやこ
専門家

ねぎもとあやこ(一級建築士)

建築設計 LEFTHANDS 一級建築士事務所

木造住宅や古民家再生の経験を生かし、環境や多様な暮らし方にあう計画を提案。日本の自然環境にある木材を生かし、構造・意匠・素材の木のリズムでととのえ、安心感と温もりに満ちた住空間を実現します。

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