窃盗中毒病 クレプトマニア
今日、家庭裁判所で、遺言書の検認手続がありました。
妻子があれば比較的簡単なのですが、この方は妻子がなく、法定相続人が10数名に上るうえに、内縁の妻がおられたので、申立書の作成はかなりややこしかったです。
裁判官は、基本的に、提出された遺言書が本人作成にかかるものなのかどうか、専門語で言うと真正なものかどうかのみ関心があり、その中身にはまったく無関心でした。自筆証書遺言ですから手書きなのは当然として、かなり丁寧に長く書いてありました。
どういう遺言がなされているのか、ハラハラしながら臨席した法定相続人の多くは、肩すかしをくらったような顔をしていました。
当事者感覚としては、遺言書に書いてある内容を裁判官が読み上げ、仮に不当な内容であればそれをただしてくれる、くらいに期待していたのかもしれません。
遺言書は、亡くなった方の最後の手紙ですから、厳粛に読み聞かせてもらえると思っても不思議ではありません。
修習生のときにみた事案は、裁判官が遺言書の内容を読み上げて、悲喜こもごもドラマがありました。
本件の遺産の多くは内妻の方がもらっていたようですが、私の依頼者は遺言執行人に指定されていましたので、これからも事務作業が続きます。