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コラム

ヤマトと古代史

2010年12月20日 / 2010年12月21日更新


 今回は、ちょっと弁護士業とは関係なさそうな話をします。
 しかし、弁護士の仕事と古代史・考古学は、物証と供述証拠を基に過去の事実関係を解明していく、という点では似ています。

 映画スペース・バトルシップ・ヤマトが話題になっています。木村拓哉が古代進を演じるということで、話題になっています。

 私は、原作「宇宙戦艦ヤマト」のモチーフについて、自説を持っています。

 直接的なモチーフは、太平洋戦争(大東亜戦争)末期、米軍の攻撃を受けた沖縄を助けるために、不利を承知で出港し、鹿児島沖で米軍潜水艦の魚雷を受けて大破し、沈没した「戦艦大和」であることは、疑いようがありません。家族や愛する人、祖国を守るため、困難なミッションを背負い、帰らぬ人となった乗務員たちの覚悟ある悲痛な戦いをイメージしています。
 
 しかし、もう一つのモチーフがあります。
 7世紀、大和の国の軍隊は、朝鮮半島の百済の国を再興するために、朝鮮半島に大軍を送りましたが、白村江の戦いで、新羅と唐の連合軍に敗れました。
 朝鮮で「新羅」は「シルラ」と読みますが、日本では「シラギ」です。これは日本人(大和朝廷)が、新羅のことを「鬼」(ぎ)と呼称していたことを示します。
 朝鮮で「百済」は「パクチェ」と読みますが、日本では「クダラ」です。これは朝鮮語の「クン・ナラ」(わが母国。「奈良の都」は「ナラ・国の都」という意味)からきており、日本人(大和朝廷)の一定数の人が、百済のことを、クン・ナラ、故郷と思っていたことを示します。
 つまり、朝鮮半島まで軍を送って闘った、百済を守るための新羅との戦いが、戦艦大和のモチーフではないかと思います。
 これで、主人公の名前が「古代進」になったのにも理由があると分かります。
 目的地イスカンダル星と大敵ガミラ星が、実は隣同士という秘密がありましたが、百済と新羅も隣どうしです。

 ちなみに、白村江の戦いの数年後、天智天皇は都を東方の大津に遷都しましたが、天智天皇の死後、壬申の乱で大津皇子と闘う天武天皇は、太陽が昇る東方から攻め上ろうとして、東方から回り込み尾張から攻め上がって勝利を収めます。
 
 聖徳太子が送ったかどうかは別として、小野妹子の遣隋使の時代から、大和の国が、日の出づる「東」を重視していたことが窺えますが、大陸と朝鮮半島の軍事力と文化に対抗意識をもった大和の国は、白村江の敗戦後、つまり7世紀末に、国名を「日本」と正式に変えます。このころ中国の書物に初めて「日本」が登場しますし、少し後には正史「日本書紀」が編纂されます。

 「日本」は、「日の本」からきていると言われます。しかし、「本」である必然性の説明にはなっていません。「出」「昇」「上」でもよいはずです。
 私の説は、「東」という漢字を二つに分解しただけ。逆に言うと、「日」と「本」を重ねれば、ほぼ「東」になります。
 日本では、東は特別な方位とされています。
 国技である相撲では、土俵は「東対西」で東が上位。
 皇太子が住まれる館は、「東宮」。
 日本の首都は、「東京」。なお、東京という地名は、江戸に遷都する際に、皇族の方が考えられたそうで、東に対する特別な思い入れがあったと思われます。
 「ひがし」という読みは、日が出る「ひ」「きし(岸)」からきます。
 「あずま」という読みは、「私の住まい」を意味する「あ」「ずま(住まい)」からきます。

 ここまできて、ヤマトのモチーフとなったと思われる朝鮮半島への軍事行動の話に戻りますが、その際の体験が、「桃太郎伝説」になっていったのではないかと思います。
 先ほど述べたように、「シラギ」は「シルラ」の「ギ(鬼)」であり、大和朝廷が新羅を「鬼」と捉えていたことが窺え、新羅が鬼ヶ島のモデルとなった可能性を示唆します。
 また、大和朝廷は、百済を再興しようとする百済の皇太子と共に闘いましたが、この人こそが、「百済」の「皇子」で「百太郎」。つまりモモタロウというわけです。なぜ「百」が「モモ」と読めるのかはよく分かりませんが。
 これで、なぜ桃太郎が「日本一」という、物語とはまったく関連なさそうな旗印を掲げているのかも分かりますね。白村江の戦いから壬申の乱を経て「日本」という国号と国家的アイデンティティが確立された経緯を象徴しているのです。

 最後に、「くだらない」という言葉は、「(もう)百済ない」からきているという説もあります。

 

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