重要な経営法則(その1)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『創業・新規事業の成否は…』
…『何を?』と『誰に?』の少なくとも一つを持ち合わせ、
『高めの価格設定』で、『ITリテラシーは高く』、
『資金力(調達力も含めて)を有する』創業を。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『何を?』『誰に?』『いくらで?』『どのように売るのか?』、
この4つの要素の組合せがビジネスモデル(の概況)です。
創業や新規事業を起こす時に、これらの4つの要素をすべてゼ
ロから構築する計画は大変難解です。特に、『何を?』と『誰
に?』の2要素の内の一つは、すでに持ち合わせたモノを利用
することをお薦めします。
◆ケース1
既存の商圏から、『何を?』と『誰に(顧客)?』を持ってく
る創業は比較的容易です。
前職の会社で、自身が扱っていた商品とサービスを、一部の顧
客ごとそのまま横滑りさせて起業するケースは、初期の立ち上
げが容易です。デスバレーもほとんど作らずに、初年度から相
応の売上と黒字を出せる会社様の大半はこのケースです。
ただし、前職の会社との折り合いがついていなければ、トラブ
ルが誘発する可能性もあります。注意が必要です。
◆ケース2
『何を?』と『誰に?』の2要素をゼロから作る創業は大変難
解です。
商品やサービスが現存せず、顧客も持ち合わせていない状態で
の創業です。そのマーケットが相当有望であったとしても、大
きな先行投資が必要になります。デスバレーも深く長いものに
なります。ビジネスに対する知見と資金力を有する者のみが挑
戦できる創業と考えてください。頓挫する確率の高い創業です。
◆ケース3
『何を?』を持っていて、これから『誰に?』『いくらで?』
『どのように売るのか?』を創造する創業が一般的です。
自身の得意な『何を?』商品やサービスを有している状態で、
顧客を創造するケースです。相応のデスバレーは存在しますが、
ケース2のデスバレーよりは、はるかに小さいはずです。
※ケース3よりはレアですが、『誰に?』を持っていて、『何
を?』を創造する創業もあります。
□『何を?』と『誰に?』を共に有する創業は…◎
□『何を?』を持ち合わせた創業は…○
□『何を?』も『誰に?』も持ち合わせていない創業は…×
大変大雑把な分類ですが、判断基準として有意性があります。
◆ケース4
『いくらで?』を高めに設定できる創業者様と、安めに設定し
てしまう創業者様がいます。
□高めに設定できる創業は…○
□安めに設定する創業は…×
これも有意性があります。
◆ケース5
ITに関するリテラシーの高い創業者様と、そうでない創業者
様がいます。
□ITリテラシーの高い創業者様は…○
□ITリテラシーの低い創業者様は…×
これも有意性があります。
◆ケース6
資金力(調達力も含めて)のある創業者様と、そうでない創業
者様がいます。
□資金力(調達力も含めて)大の創業者様は…○
□資金力(調達力も含めて)小の創業者様は…×
『何を?』と『誰に?』、少なくとも一つを持ち合わせ、『高
めの価格設定』で、『ITリテラシーは高く』、『資金力(調
達力も含めて)の有る』創業者様は、その成功確率が高いよう
です。
入社した時、その会社にはすでにビジネスモデルが存在し、あ
る程度円滑に機能しています。新入社員は、このビジネスモデ
ルに沿って、『何を?』『誰に?』『いくらで?』『どのよう
に売るのか?』の4つの要素の一部を担います。その地位が上
がっても、その関与する範囲を拡大させるだけで、過去のビジ
ネスモデルを踏襲するケースがほとんどです。結果として、ほ
とんどの人が、『何を?』『誰に?』『いくらで?』『どのよ
うに売るのか?』を真に創造したことがありません。
過去のビジネスを踏襲しながら改善することと、ゼロから創造
することには雲泥の差があります。創業時や新規事業をはじめ
る時には、肝に銘じてください。