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『繁盛貧乏に陥らないために…』

石田雄二

石田雄二

テーマ:経営

■収益と忙しさの状態で会社を4つに分類すると以下になりま
 す。

1.繁盛高収益企業…
  「当社は忙しいです。故に大変儲かっています。」
2.閑散貧乏企業…
  「当社は暇です。故に儲かっていません。」

上記の二つは納得できます。また、

3.閑散高収益企業…
  「当社は多忙ではありませんが、それでもしっかり利益を
   出しています。」

一方、

4.繁盛貧乏企業…
  「当社は超多忙ですが、利益はありません。」

■繁盛貧乏企業にならないように、また、そうであるならば抜
 け出すための方法を考えてみましょう。

繁盛貧乏に陥る会社には概ね共通点があります。

◆理由1:
 価格(安売り)を売るための道具として安易に利用する。

事業は、その商品やサービス内容、ブランドで競合と戦ってい
かねばなりません。そのサービス内容やブランドを磨かずに、
その不足分を価格で補おうとする行為は命取りです。
価格は売るための道具ではありません。この認識と決意が必要
です。
売るための道具として安易に低価格を訴求していると、繁盛貧
乏に陥ります。

⇒価格(安売り)を売るための道具として安易に利用しないで
 ください。

◆理由2:
 閑散であることに耐えられない。売上至上主義に陥る。

とにかく売上が欲しい、間違えではありませんが、売上の総額
だけを追いかけると、利益の概念が希薄になります。
売上だけを求めずに、利益を同時に追いかけてください。

⇒売上至上主義に陥らないでください。

◆理由3:心から利益を求めていない。

節税指向を過度に持ち合わせている社長も少なくありません。
税金は、利益に係数を乗じた金額です。節税の行きつくところ
は利益を出さないことです。心から利益を求めない事業体が高
収益を上げることはありません。
※できる節税は当然しっかり行いましょう。

⇒利益を心の底から求めてください。

◆理由4:ビジネスモデルが疲弊している。事業領域が悪い。

「貴社は、類似の他社と何が違いますか?」この質問に対して、
明確な解を提供できない会社は絶対に儲かりません。
この解を顧客に提供し続けること、そのために商品やサービス
内容、ブランド等を徹底的に磨きましょう。

⇒どこにでもある事業は通用しない時代です。上手く行っても
繁盛貧乏です。他にない何かを創り上げましょう。

◆理由5:客層が悪い。(生きる世界が悪い。)

世の中は原因と結果、因果の関係が明確に成立しています。良
い会社には良い顧客が、そうでない会社にはそうでない顧客が、
逆に、良い顧客は良い会社を、そうでない顧客はそうでない会
社を選びます。
鶏と卵…どっちが先かの議論に終着しますが、価格(安売り)
を売るための道具として安易に利用すると、それに乗っかって、
他者の価値を認めない顧客が訪れるようになります。いかがで
しょうか?

⇒良い会社(事業)を作って良い顧客とお付合いしましょう。

忙しいのに儲からない「繁盛貧乏」の状態は、会社を根底から
疲弊させてしまいます。この状態を継続すると、知恵を生む気
力を奪い去ってしまいます。最終的に市場から退場する会社の
多くはこのパターンです。

1.価格(安売り)を売るための道具として安易に利用しない
  でください。
2.売上至上主義に陥らないでください。
3.利益を心の底から求めてください。
4.他にない何かを創り上げましょう。
5.良い会社(事業)を作って良い顧客とお付合いしましょう。

この機会にご再考いただければ幸いです。

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石田雄二
専門家

石田雄二(税理士)

石田雄二税理士事務所

単に安いだけでなく、創業後の会社の管理体制構築までサポートします。また、税理士だけでなく、社労士も在籍しているため、助成金の獲得支援を強みとしている点も好評です。

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