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コラム

『高年齢者雇用安定助成金の改正について』

2016年3月30日

テーマ:銀行融資・補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

「高年齢者雇用安定助成金」は、60歳以上の雇用保険被保険
者を1年以上雇用している事業主が、高年齢者の活用促進のた
めの雇用環境整備を実施する場合に助成金が受けられるという
ものです。

平成28年度からは「高年齢者活用促進コース」の拡充や「高
年齢者無期雇用転換コース」の新設など、利用範囲が広がりま
す。60歳以上の従業員がいる場合は一度ご検討ください。

概要をみておきましょう。

1.高年齢者活用促進コース
以下のいずれかの措置を実施する場合が対象となります。
(1)新たな事業分野への進出
   高年齢者が働きやすい事業分野への進出など。
(2)機械設備、作業方法、作業環境の導入・改善
   高年齢者が就労の機会の拡大が可能となるような機械設
   備の導入、作業方法、作業環境の改善など。
(3)高年齢者の雇用管理制度の導入・見直し
   賃金制度・能力評価制度の導入や研修システム・能力開
   発プログラムの開発など。
(4)健康管理制度の導入【新たに追加された措置】
   人間ドックまたは生活習慣病予防検診制度の導入。
(5)定年の引上げ
   定年の引上げや廃止、あるいは希望者全員を対象とする
   継続雇用制度の導入など。

■支給金額
上記の措置に要した経費の2/3(大企業は1/2)か、60
歳以上の雇用保険被保険者数に20万円(※)を乗じた額の少
ない方の金額になります。(上限1,000万円)
※以下のいずれかの場合は60歳以上の雇用者1人あたりの上
限が30万円になります。
(a)建設、製造、医療、保育、介護分野の事業主
(b)65歳以上の高年齢者の雇用割合が4%以上の事業主
(c)機械設備の導入等を実施した事業主

■その他の改正点
次のいずれかの措置を実施した場合は、100万円の費用を要
したものとみなして対象経費とすることができます。
(a)定年を66歳以上に引上げ
(b)定年の定めの廃止
(c)65歳以上への定年の引上げおよび希望者全員を66歳
   以上まで雇用する継続雇用制度の導入

2.高年齢者無期雇用転換コース【新設】
50歳以上で定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用に転換
した場合に、対象の労働者1人につき50万円(中小企業以外
は40万円)が支給されます。ただし、1支給申請年度あたり
10人が上限です。

60歳以上の従業員を積極的に活用しようとお考えの方は、一
度ご検討ください。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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