経営者に必要な「胆力」とは何か? 「よく考える」この意味をよく考えて見ましょう!
Q3:希望する調達額を満額借りられないので出店できない?
Q4:二期連続赤字、今期期中の足元の業績は急回復、
借り入れできるか?
税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。前回
に続いて、一部をご紹介させていただきます。
Q3:
『新店出店資金として2,000万円の調達を希望する旨を、
保証協会付融資で取引のある某銀行に依頼したが、新店出店の
ための希望調達額2,000万円に対して、保証協会から
1,000万円の保証しか取れない(※事前相談時の非公式な
コメントと推測できます。)、とする某銀行担当者のコメント
が返ってきた。』(相談者様)
A3:
決算書と足元の業績を確認させていただいたところ、確かに資
金調達はできそう、一方、2,000万円の希望金額は金額が
大きく容易ではないことが想定できました。
また、某銀行は規模の大きい銀行であり、この会社様がプロパ
ー融資を受けることが難しいことも推測できます。
○現状は…
・希望調達額2,000万円、調達候補先は保証協会保証付き
某銀行からの融資…1,000万円
○当事務所で、融資の戦略を練り直します。
・保証協会保証付き某信用金庫からの融資…1,000万円
・同じ某信用金庫プロパー融資…300万円~700万円
・日本政策金融公庫からの融資…700万円~300万円
ポイントは、保証協会付融資に付加してプロパー融資を引き受
けてくれそうな信用金庫(信用組合)を探して、さらに、日本
政策金融公庫にもお願いして、上記の3つの引き出しから合計
2,000万円を調達する協調融資を目論むことです。
◎当事務所にて、決算分析・出店計画書(返済計画書)を作成
し、某信用金庫様と日本政策金融公庫様に対して、合計
2,000万円の調達に動きました。当事務所が主体的に対応
しています。結果、合計2,000万円の出店資金の調達に成
功しました。希望通りの新店出店が実現しています。
新規の借入れができそうな状況にあっても、その借入希望額が
大き過ぎる?と想定されるとき、この協調融資は大変有効です。
当事務所では、多数の実績をあげています。
※『協調融資』とは、複数の金融機関から、同時に同じ目的の
資金を合算して調達する資金調達手法です。一般的に言われる
『シンジケートローン』とは異なります。
Q4:
『二期連続赤字ですが、今期期中の足元の業績は急回復してい
ます。返済のみが長期間続いていて、資金繰りが厳しくなって
きました。今期決算は相応の黒字を計上できそうですが、決算
を待たずにこの段階で新規の借り入れは出来ないでしょうか。
金融機関の担当者に相談したら、決算が締まるまで待ってくだ
さい、と言われました。』(ご相談者様)
A4:
金融機関の貸出しの判断は、原則論として決算書を基準に行い
ます。期中の試算表で収益の改善を示しても、決算まで待って
ください、となるケースは少なくありません。
ただ、期中であっても、その業績の改善が顕著で、その改善状
況をはっきりと説明できれば、日本政策金融公庫や、信用保証
協会の保証付き融資を受けられる可能性があります。
○ご相談者様のケースでは、
・決算後9カ月が経過しており
・その収益改善の方法が明確であったこと
・その簡易キャッシュフローの額が、総借入額と比して大きか
ったこと(債務償還年数は約6年)
・明らかに債務超過でないこと
上記の事実を踏まえて、精度の高い試算表を整備して解説する
ことで、ご相談者様が希望される金額の融資を受けることがで
きました。
◎当事務所にて、決算分析・資金繰り表(実績と見込み)を作
成し、某信用金庫様と日本政策金融公庫様に対して、運転資金
の調達に動きました。金融機関対応は、当事務所が主体的に行
っています。財務目線で信憑性のある試算表作りと、資金繰り
の実態と予測をできるだけ正確に提供することが、融資成功の
ポイントです。
※試算表の精度は総じて低い、金融機関はこのように考えてい
ます。作る側も「とりあえず…」と考え、費用や売上の計上漏
れを容認しているケースも少なくありません。金融機関に対し
て、経営の進捗状況を報告する資料であるならば、上記の緩さ
は看過できません。
当事務所では、試算表を財務目線でより正確に作成し、その分
析資料を金融機関目線で作成・解説することで、クライアント
の経営品質の高さを金融機関にご理解いただきます。
上記のことが、二期連続赤字企業様が、期中で新規融資を受け
られた要因の一つです。