マイベストプロ広島

コラム

『独立開業は大変難しい挑戦です』

2016年1月20日

テーマ:銀行融資・補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

ある社長様が資金調達の相談で来所されました。「日本政策金
融公庫に融資を申し込んだが断られた。このままでは資金が枯
渇してしまう。何か良い方法はないか。」とのご相談です。

詳しくお話をお聞きしたところ、「創業して約1年が経過した
が、未だ黒字化しておらず、役員報酬も殆ど取れていない。創
業融資については、当初は資本金だけで十分黒字化できると考
えていたため、利用しなかった。」とのことでした。

創業した社長様から、このようなご相談をお受けすることは少
なくありません。しかし、残念ながら、赤字で資金繰りが苦し
い時ほど資金調達は難しくなります。創業時であれば、計画だ
けで創業融資を受けることができましたが、1年が経過し、上
手く行かないことが判明した今となっては、日本政策金融公庫
や保証協会でさえ、簡単に融資はしてくれません。

新設企業は3年で約70%が廃業するとも言われています。大
変難しい挑戦です。「独立開業時にどれだけの資金を用意すべ
きか」という議論は、目の前に広がる広大な砂漠を横断する時
に、「どれだけの水を持っていくべきか」という議論に似てい
ます。過酷な環境の中、手持ちの水が減ってゆく恐怖を想像す
れば、「持てる限りの水を持って行こう」と考えるのが自然で
はないでしょうか。

独立開業は、多くの方が失敗している大変難しいチャレンジで
す。自己資金だけで挑むより、創業融資も利用して、できるだ
け多くの資金を用意して独立しましょう。そうすれば、創業者
の廃業率はもっと低くなるはずです。

また、創業後のお金の使い方も大切です。同社の人件費、福利
厚生費、広告費、接待交際費を見てみると、明らかに売上とバ
ランスが取れていませんでした。従業員のモチベーションアッ
プのための飲み会、広告宣伝活動、お客様との飲食等、その重
要性は分かりますが、資金が無くなれば全て終わりです。軌道
に乗るまでは、最低限の資金で運営することを心掛けましょう。
同社も、固定費を見直して損益分岐点を大きく引き下げました。

創業予定、創業後間もない方で、創業融資を受けておられない
方は、是非、早い段階で弊所にご相談ください。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

Share

関連するコラム

石田雄二プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ広島
  3. 広島のビジネス
  4. 広島の税務会計・財務
  5. 石田雄二
  6. コラム一覧
  7. 『独立開業は大変難しい挑戦です』

© My Best Pro