『年商対比で、今より10%多くの運転資金を持ち続けることをご提案します。』
『金融機関対応の大原則は、
┃ 借りられる時に借りられるだけ借りることです。』
┃…金融機関が貸し出す傘はすべて「日傘」です。
┃ 「雨傘」ではありません。
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■経営者は、「必要な時に必要な金額を借入れたい」と考えま
す。適時適量発想です。正論ですが、対金融機関に対しては
この論理が通じません。
金融機関が貸し出す傘はすべて「日傘」(○)です。「雨傘」(×)
ではありません。貸し出す資金が預金者から預かった預金だか
らです。損失を出すわけにはいきません。
故に金融機関は、企業に対して健全かつ前向きな資金しか貸し
出せません。
融資を受ける側の企業は、必要な時に必要な金額の借入れがで
きるように、常にその健全性を維持しておかねばなりません。
資金が必要な時には常に健全であるべきなのです。これを厳守
できるなら、「必要な時に必要な金額を借入れたい」との願い
は叶います。
一方、企業経営には、「山」あり「谷」あり、「まさか」もあ
ります。
「谷」や「まさか」の時には健全性が崩れることもあります。
このタイミングと資金を必要とするタイミングが重なった時は、
資金は必要だけれども融資は受けられない状況に陥ります。
資金が必要な時に健全性を維持する、これは容易ではありませ
ん。
■「借りられる時に借りられるだけ借りておく」ことこそ最善
の策です。
健全な時に、近未来に遭遇するかもしれない「谷」や「まさか」
に備えて資金調達を継続して行い続けること、これ以外に方法
が見当たりません。
これこそが、金融機関対応の大原則と確信します。
■『金融機関が「借りてくれ」と頼んできた。当社は大丈夫だ。』
とおっしゃる社長様がおられます。
その通りです。金融機関は今、この瞬間については、貴社が貸
し出せる健全な会社であることを表明しています。ただし、こ
の表明は、今、この瞬間のことであって、近い将来を担保して
いるわけではありません。
例えば、3カ月後に「谷」や「まさか」が起きた時、同じ金融
機関であっても、足元の悪さを理由に融資を謝絶するかもしれ
ません。数カ月前の言動を担保してくれません。
■「借りられる時に借りられるだけ借りておく」、ご理解いた
だけましたでしょうか?
・金融機関が「借りてくれ」と頼んできたら、有り余るほどの
余裕がある場合を除いて借りておきましょう。
・売上が伸びてきたら、増加運転資金を早めに調達しておきま
しょう。
・運転資金の借入れは、一年が経過して一年分の返済で元本が
減ったら、元の金額まで巻き返して借り直してください。
・金融機関との接点は、可能な限り持つように努力しましょう。
・創業時には、可能な限り創業融資を受けてください。
・創業間もない企業は、早めに日本政策金融公庫と保証協会付
融資を受けて、実績を作りましょう。
・融資を受けた後も、金融機関とは誠意を持ってお付合いして
ください。
・資金使途違反などはくれぐれも起こさないようにしましょう。
■結果として無駄な金利を払い続けることになっても、これは
これで良いと考えましょう。
二つのリスクが想定できます。
余分に資金を借り入れて、結果として無駄な金利を払うリスク
が一つ目です。
余分と判断して借入れを起こさなかったために、資金に詰まる
リスクが二つ目です。
一つ目のリスクは読めるリスク、ある種の保険料です。それに
比べて二つ目のリスクは、起きてはならないリスクです。
底が読めません。
一つ目のリスクを取るべきではないでしょうか?
金融機関が貸し出す傘はすべて「日傘」(○)です。「雨傘」(×)
ではありません。肝に銘じてください。ゆえに、金融機関対応
の大原則は、『借りられる時に借りられるだけ借りること』で
す。論理矛盾はないはずです。
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