篆刻年賀状 とら118
篆刻を使った年賀状のデザインを紹介いたします。
今日ご紹介するのはうま105とうま109のデザインです。
<うま105>
<うま109>
105と109のデザインに使った篆刻は「塞翁馬」(さいおうがうま)です。
この有名な言葉は中国の『淮南子』(えなんじ)という書物の「人間訓」の中の話に由来します。
そのお話しというのが
「昔、中国の北方のとりでの近くに占いの巧みな老人が住んでいた。
ある時、その老人のウマがどこかへ逃げてしまった。
隣人が気の毒がると、老人はこれは良いことの前兆だと言って一向に気にするふうでもない。
数ヶ月後、逃げたウマが数頭の胡の国の駿馬を引き連れて戻って来た。
隣人がお祝いを言うと、老人は、これは良くないことが起こる前兆だと言った。
果たして、老人の息子がウマから落ちて骨折した。
隣人が見舞いに行くと老人は、これは良いことの前兆だと平気な顔をしている。
1年後、胡の国が攻め込んできて村の若者達が多く戦死したが、
骨折した老人の息子は兵役を逃れ、生き残った。」という内容。
どうみても作り話くさいのですが(笑)
要するに、人生は何が幸いするかわからない。
吉凶・禍福は変転きわまりない。
人生の幸不幸は図りがたいという話なんですね。
ここから<塞翁が馬>という熟語ができたんだそうです。
さらに、時代が下がり、元の時代の熙晦機という僧侶が
「人間万事塞翁が馬、推枕軒中雨を聴いて眠る」
(この世はすべて塞翁が馬で、先のことなどわからない。枕を押しやったぶざまな格好で雨だれの音を聴きながら家で寝てしまおう)と詩に詠んだことから、「人間万事塞翁が馬」(じんかんばんじ〜)と言われるようになったそうです。
僕は長い間、(にんげん、万事塞翁が馬)だと思ってましたが正式には人の世の中の意でじんかんと読むのが正しいそうで、、、長い間ウソ読みしてました(^^ゞ
でもそういえば、その昔、青島幸男さんが直木賞をとった作品に「人間万事塞翁が丙馬」というのがあって、たしかマスコミも「にんげん〜」と読んでいたように覚えているんですけど・・・。
話が脱線してしまいましたが、その「塞翁が馬」を使った二つの年賀状デザイン、いかがでしょうか。
篆刻はどちらもウチの会長、橫田丹采作のデザインです。
すっきりとかっこいいデザインの105とシブ目重めの109、どちらも大好きなデザインです。
どちらを好まれるかは皆様の好みにお任せすることに致します。
長文読んでくださってありがとうございます。
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