子どもとAIのつきあい方|生成AIが子どもにあたえる、いい影響と悪い影響

マインドマップとは、紙のまん中にテーマを書き、そこから枝をのばして、関係のある言葉をつないでいくノートの書き方です。イギリスのトニー・ブザンが、1970年代に広めました。
受験勉強では、覚えることがたくさんあります。「マインドマップを使えば、もっと楽に覚えられるのでは」と考える親御さんもいるでしょう。一方で、「色ペンできれいに描くだけで、時間がかかりそう」と心配する声もあります。
このコラムでは、世界の研究からわかってきたことを整理します。そのうえで、受験に役立つマインドマップの使い方を紹介します。
ふつうのノートとの、3つのちがい
ふつうのノートは、上から下へ、習った順に文を書いていきます。マインドマップは、まん中から外へ、言葉どうしのつながりを書いていきます。
1. 1枚で全体が見える:単元のどこに何があるかが、ひと目でわかります
2. 言葉が短い:文ではなく、1語か2語で書くので、書く量が少なくなります
3. つながりが見える:枝と線で、「これとこれは関係がある」が目に見えます
受験では、覚えた知識を「つなげて答える」問題がよく出ます。つながりを紙の上で見せてくれるのが、マインドマップの強みです。
国も「図にして考える」ことを大切にしています
文部科学省の学習指導要領の解説では、くらべる、仲間に分ける、つなげる、といった「考えるための技法」を使うように書かれています。そのために、図や表を使って目に見える形にすることも、すすめられています。
学校では、マインドマップによく似た「ウェビングマップ」を使う授業もあります。図にして考えることは、学校の勉強とつながっているのです。
世界の研究でわかってきたこと
1. 1週間後に、覚えている量に差が出た
イギリスの医学生50人を対象にした2002年の研究があります。文章を読んで、マインドマップでまとめた人と、いつものやり方で勉強した人をくらべました。その結果、1週間後のテストで、マインドマップの人のほうが多く覚えていたといいます。
ただし、その後の別の研究では、はっきりした差が出なかったものもあります。マインドマップは、魔法の道具ではありません。
2. 見るより、自分で作るほうが効く
アメリカなどの研究者が、図で知識をまとめる学び方について、1万1,000人をこえる人の研究をまとめて調べました。その結果、図を使う学び方は、全体として効果があるとされています。さらに、できあがった図を見るより、自分で作るほうが、効き目が大きかったといいます。
3. 「思い出す」ことが、いちばん頭に残る
アメリカのパデュー大学の研究では、約200人の学生が理科の文章を勉強しました。教科書を見ながら図にまとめた人より、本をとじて思い出して書き出した人のほうが、1週間後のテストでよい点だったと報告されています。
研究者は、図を「思い出す練習」に使うこともできる、と書いています。ここが、受験に生かすいちばんのポイントです。
受験に効く、ビジネスも生み出せる、思い出しマップの4つの手順

3つの研究を合わせると、答えが見えてきます。教科書を見ながらきれいに描くのではなく、白紙から思い出して描く。これを「思い出しマップ」と呼ぶことにします。
1. 教科書を1回読んだら、とじる
2. 白い紙のまん中にテーマを書き、思い出せることを10分で枝に書き出す
3. 教科書をひらき、書けなかったことを赤ペンで足す
4. 3日後と1週間後に、もう一度白紙から描く。赤が減っていれば、覚えられています
枝に書く言葉は、短く1語か2語にします。色は3色までで十分です。きれいさより、思い出した量を大切にします。
私が今まで提供してきた起業家の方々にも、「良いことじゃなく、悪いことも全部書く」ことをご案内しています。
案外、ネガティブだと思っていたことの中に、大きく成長できるキッカケが眠っていることも多いのです。
思い出しマップで、よくある3つの失敗
1. 教科書を写してしまう
教科書をひらいたまま描くと、手は動いていても、頭は思い出していません。できあがった紙はきれいでも、テストの日には残っていないことが多いのです。描くときは、かならず本をとじます。
2. 描いて満足してしまう
1枚描いただけでは、1週間後には多くを忘れています。大事なのは、日をあけてもう一度描くことです。1回目のマップは、ゴールではなくスタートだと考えましょう。
3. 全部の単元で作ろうとする
すべての単元をマップにすると、時間が足りなくなります。苦手な単元や、つながりが大事な単元にしぼりましょう。1日1枚でも、続ければ大きな差になります。
受験までの時期ごとの使い方
受験の1年前から半年前:単元ごとに1枚
学校や塾で習った単元を、その週のうちに1枚の思い出しマップにします。描いた紙は、教科ごとにファイルにためておきます。
受験の3か月前から:ためた紙で見直す
ためたマップを1日数枚ずつ取り出し、まん中のテーマだけを見て、白紙に描き直します。赤ペンが多かった単元が、とくに見直すべきところです。
受験の直前:まん中だけ見て、口で言う
入試の直前は、描く時間をへらします。マップのまん中だけを見て、枝に何があったかを声に出して言ってみます。言えなかったところだけ、もとのマップで確かめます。
教科ごとの使い方の目安
社会:できごとのつながりを書く
歴史なら、まん中に「江戸時代」と書き、政治・人物・文化・できごとの4本の枝を出します。できごとどうしを線でつなぐと、「なぜそうなったか」を問う記述問題にも強くなります。
理科:仲間分けを書く
「植物」をまん中にして、花・葉・根や、種類ごとに枝を分けます。似ていてまちがえやすいものは、となりの枝に並べると、ちがいが目に入ります。
国語:作文や記述の下書きに使う
作文のテーマをまん中に書き、思いついた体験や理由を枝に出します。そのあと、書く順番に番号をふれば、文章の地図ができます。高校入試の作文でも、書き始める前の2〜3分で使えます。
算数・数学:使う場面をしぼる
計算の練習には向きません。「図形の公式の一覧」や「まちがえたパターンのまとめ」など、整理したいときだけに使います。
マーケターとして伝えたいこと
私はふだん、コピーライター・マーケターとして、お店や会社の「伝え方」をお手伝いしています。広告の文を考える前には、まん中に商品を書き、お客さんのこまりごとを枝に出していきます。
仕事で感じるのは、頭の中にあることを一度紙に出すと、足りないところが見えるということです。受験勉強も同じです。思い出しマップは、「わかったつもり」を見つける道具だと考えてください。
親御さんが気になりやすい4つの疑問
何年生から使えますか?
小学校の中学年から使えます。最初は親が「まん中に何て書く?」と声をかけ、枝を2〜3本いっしょに描くと、すぐにコツがつかめます。
描くのに時間がかかりすぎます
時間を10分と決めてください。時間がかかる子は、絵や色にこだわっていることが多いです。「きれいさは0点、思い出した数が点数」と伝えると、手が速くなります。
親はどう声をかければいいですか?
できたマップを見せてもらい、「この枝、説明してくれる?」と聞いてみてください。人に説明すると、もう一度思い出す練習になります。赤ペンで足したところを、ほめてあげるのもおすすめです。
紙とアプリ、どちらがいいですか?
受験勉強には、紙をおすすめします。入試は紙と鉛筆で受けるので、手で書いて思い出す練習がそのまま本番につながります。アプリは、作文の下書きなど、あとで並べかえたいときに使うと便利です。
まとめ
マインドマップは、使い方しだいで受験の力になります。研究からは、図にまとめるなら自分で作るほうがよく、さらに本をとじて思い出すことが、いちばん頭に残るとわかってきました。
教科書を読んだらとじる。白紙に10分で描く。赤で足す。日をあけて描き直す。この4つの手順から始めてみてください。


