郷土の象徴・赤城山を守る。「県立赤城公園サポーター」として今シーズンも始動します
展示会で手渡された一枚の手描き図面。
そこから始まった新しいお取引には、私たちが大切にしている「現場目線の提案力」と「ものづくりの愉しさ」のすべてが詰まっていました。
単に図面通りに作るだけではない、プロとしての付加価値をどのように生み出すか、その舞台裏をお届けします。
専門家としての私の視点から、ものづくりにおける「付加価値」とは何かを考えたとき、それは単に依頼された図面を正確に形にするだけではなく、「その製品が実際に使われる現場を徹底的に想像し、より良い形へ進化させること」だと確信しています。
事の始まりは、昨年11月に東京ビッグサイトで開催された展示会でした。
当社のブースへ足を運んでくださったお客様から検討依頼として託されたのは、一枚の紙に描かれた「手描きの図面」だったのです。
「これをなんとか形にできないか」というお客様の熱い想いが、その一本一本の線からひしひしと伝わってきました。
展示会後、改めてきれいな正式図面が届き、それが業務用フライヤーに使用される「グリップ(持ち手)」の部分であることが分かりました。
図面を受け取った私たちは、すぐに社内検討を始めました。
ここでそのまま加工に入るのではなく、私たちは一歩踏み込んで考えました。
「このフライヤーを現場で毎日使うのは、どんな人だろう?」ということです。
使う人の姿を徹底的に想像して生まれた、2つの「改善提案」
飲食店や惣菜の厨房などでは、多くの女性スタッフの方がフライヤーを操作します。
そう考えたとき、元の仕様のままでは2つの課題が見えてきました。
そこで、私たちはプロとして次の2点をご提案させていただいたのです。
「丸棒」から「パイプ」への材質変更による軽量化
当初の図面は金属が詰まった「SUS丸棒」の仕様でしたが、これではずっしりと重く、毎日の作業で女性の腕に大きな負担がかかってしまいます。
そこで、強度を保てる範囲で中空の「SUSパイプ」への変更をご提案しました。これにより、断然、軽くなります!
女性の手に合わせた「グリップ幅」の微調整
いただいた図面の寸法では、手の小さな女性がしっかりと握るには少し幅が広すぎると感じました。
そこで、握り込んだときに最も力が入りやすく、滑りにくい絶妙な幅へと狭める修正をご提案しました。
これらの提案は、机の上の計算だけで導き出したものではありません。
私たちは実際に社内でサンプルを製作し、当社の女性社員たちに実際に持ってもらいました。
「これなら軽くて握りやすい!」「毎日使っても疲れないね」という現場の生の声(太鼓判)を得た上で、自信を持ってお客様へお届けしたのです。
写真ではなく現物を持って。お互いに響き合う「ものづくりの喜び
この使う人を想った現場目線の提案を、お客様は大変喜んでくださり、見事に採用となりました。正式にご注文をいただき、素晴らしい新しきお取引がスタートしたのです。
そして先日、さらに胸が熱くなる出来事がありました。
なんとそのお客様が、「製品が形になったよ!」とお忙しいなか、わざわざ完成した現物をカゴごと持って当社へ足を運んでくださったのです。
お客様は満面の笑みでこう仰いました。
「写真で『できました』と報告するんじゃなくて、やっぱり現物を見てもらった方が、お互いにものづくりの喜びが大きいと思ってね!」
この言葉をいただいた瞬間、製造業に携わる人間として、これ以上の幸せはないと感じました。
お客様と私たちの想いが完全にシンクロした瞬間でした。
ちなみに、このフライヤーで揚げられるのは、みなさんが日常の中で必ず一度は口にしたことがある「あの有名な揚げ物」なのですが……大人の事情で名前は伏せさせていただきます(笑)。
ぜひ想像してみてください!
夢をカタチに、愉しさを形に
手描きのイメージから、具体的な製品へ。
ただの製造ではなく、サンプルを製作し、使う人を想って改善・提案を重ねる。これこそが、私たちが追求し続ける「ものづくりの愉しさ」であり、専門家としての存在意義です。
これからもMATSUMURAは、お客様の「夢をカタチに!」するために、現場一体となってプロの提案を届けてまいります。
素晴らしいご縁をいただいたお客様に、心より感謝申し上げます。


