なぜ15歳の少年は親殺しの一線を越えてしまったのか?

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て

*子育て感情トレーニングのメルマガより転載*

15歳の少年が
母親の首を絞めて
殺したというニュース

https://bit.ly/3BLAJVJ





「きっと親にそこまで
追い詰められてたに違いない」

「教育虐待とかやってた
毒親だったかもしれない」



若年者による親殺しがあると
こんな意見が散見されます。



親がひどい人間で、
子どもは被害者で、
だから思い余って手をかけた。



そんな論理です。



もしかしたら虐待や支配といった
不遇があったかもしれませんが、
それは推測の域を出ません。



仮にそうだったとしても、
そういった不遇な環境で
育った子どもたちの多くは、

親を憎みこそしても
殺してまではいません。



私も17歳の頃、
酔って暴れる父を止めるには
殺すしかないと思い込み、
刃物をもってとびかかりました。



私の場合は未遂で済んだお陰で
殺人者にならずに済みましたが。



実際の相談場面でも
親が憎くて
「殺してやりたい!」
と思う人は少なくありません。



この言葉をこれまで
数限りなく聞いてきましたから。



だけど

憎さのあまり
「殺してやりたい!」
と思うことと、

実際に行動として
殺すことの間には、

簡単には越えられない
一線があるものです。



なのに時折
その一線を越えてしまう
子どもたちがいる。



違いは何だと思いますか?



ところで、
●因果の道理
という仏教の考え方を
ご存じですか?



原因と結果の法則
のほうが名著もあるので
わかりやすいかもですね。



善い種(因)を蒔けば
善い実(果)がなる。

悪い種(因)を蒔けば
悪い実(果)がなる。

結局は
自分が蒔いた種(因)が
そのまま実(果)になる。

という考え方です。



この考え方にならうと、
毒親といった概念であれば、

毒親という悪い種が
親殺しという悪い実をつけた

ということになります。



結構そう考えがちですよね。



だけど世の中を見渡すと、

毒親の元に育っても
非常に健やかな人も沢山いるし、

やさしい親元に育ったのに
荒れた人生を送る人も沢山いる。



その違いが
『因』と『果』の間にある

★縁

です。



これも仏教の言葉で
●因縁果の道理
といいます。



悪い種であっても
良き縁に恵まれれば
悪い実をつけずに済む。



良い種であっても
悪しき縁に苛まれれば
悪い実をつけてしまう。



つまり、
良い実をつけるには

★良き種(因)
★良き縁

の双方が大事ということです。



この事件の少年だけでなく、
どんな人も「親」だけで
人生が決まるわけではありません。



その後の人生でどれだけ
『良きご縁』
に出会えるかが大切です。



もしかしたらこの少年には
最後の一線を踏みとどまらせる
「良きご縁」
が足りなかったのではないか…

そう思うと
残念で仕方ありません。







あなたはわが子に
どんな人生を送ってほしいですか?



おそらく超シンプルに


幸せになってほしい!


ではないかと思います。



幸せに生きるという
「良い実」を実らせたいなら、

その実がつくような
「良い種」を蒔くことが
私たち親の仕事です。



だけど親とてただの人間。
不完全な生き物です。



いや、むしろ
親という生き物こそ
やらかしだらけかもですね 汗



だからこそ自力だけで
「いい子に育てなきゃ!」
「ちゃんとした子に育てなきゃ!」
とテンパらない!



そんな思いを捨て去って
いっそ正反対をやってみましょう。



【Before】
「どうしたら私はちゃんと
子育てできる親になれるだろう?」
 ▼
 ▼
【After】
「この子が良きご縁に出会うために
私にできることは何だろう?」



親の私たちだけで
子どもの未来が決まるわけじゃない。



むしろご縁のほうが
何倍も大事だったりします。



そう思って少し肩の力を抜いて、
大人とは違う”面白い動き”をする
わが子という生き物を好奇心で
観察してみてください。



なかなかに
「こいつ、変なことするな~(笑)」
がたくさん見つかりますから。



そうやって楽しみながら、
自分にできる範囲で
「良き種」を最低限だけ蒔いて、
あとは人生にお任せしましょう。



「うちの子が
良きご縁に出会えますように!」
って。



子どもってのは
私たち親が思っているほど
脆弱な生き物ではありませんよ。



いろんな心配もありますが、
共に信じてあげましょうよ、ね。

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高澤信也(心理カウンセラー)

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