「子育ては母の役割」「働いて稼ぐのが父の役割」という価値観。それ、ほんとですか?

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て


子育て感情トレーナーの高澤です。



子育てママさんからはよく

「夫は全然子育てしない!」

「自分の都合がいいときだけしか
子どもにかかわらない!」

「嫌なことは全部私に丸投げ!」

なんて怒りの声(汗)が届きます。



怒りのあまり
「たまには子どもの面倒見てよ!」
と言うと今度は

「俺、仕事してるから」
「生活費は俺が稼いでるから」
なんて言葉が返ってくると。



すごく腹が立つし、
納得できないんだけど、
それを言われると何も言えない…。



今度はしょんぼりです。



令和のこの時代になっても
まだまだ昔の封建的な価値観は
ゼロではないようです。




解決策のススメ?


仮に先の訴えをしたママさんを
タマさんだとします。



言われっぱなしでしんどい!
どうしても納得いかない!



ということで
家族やママ友に相談したりすると、
今度はこんな声が返ってきたそうです。



ある人は
「そんな奴とは別れればいいやん!」

またある人は
「イヤなら話し合えばいいやん!」



こんなときタマさんは
本当はこう言いたい!

「それができるくらいなら
最初から悩んでねーよ!」って。



確かにそうだと思います。



でもだからと言って、
誰かに愚痴を言い続けたところで
そのときの慰めにはなっても
事態は一ミリも変わらない。



まさに行き詰まり状態です。




想定外の結末


ここでタマさんの方略を
整理してみましょう。



タマさんが達成したい目的は
「夫を子育てに参加させる」



そのための手段が
「あなたもやってよ!」
とダイレクトに伝える(責める?)。



でもこれを繰り返してきた結末は、、、


●夫からの反撃
●夫に対する嫌悪感が肥大
●夫の子育てへの関与一切増えず



ということで
無念にも目的非達成。。。



同じことを続けるほど
状況は悪化するのは
目に見えています。




手段の目的化


ここで人がよく陥る
落とし穴があります。



本来は手段だったはずのものが
目的にすり替わってしまうこと。



それを
●手段の目的化
と呼びます。



タマさんも見事に
そこにハマっていました。



問いがいつの間にか
「どう言えば夫は分かってくれるか?」
にすり替わっていたんです。



・もっと強く言ってみる
・やさしい口調で言ってみる
・泣いて懇願する
・言葉ではなく態度で示す
などなど



これがうまくいったかといえば、
落とし穴と言うくらいですから
残念ながらこれもうまくいかずでした。



それでもタマさんはめげない!



今度は手段を違うものに
変えてみました。



・無理しておだてる
・無視する
・誰かに代わりに言ってもらう
などなど。



今度こそ!
となったかと言うと、
残念にもそうはなりませんでした。



なぜなら、
これもまた手段の目的化
だったのですから。




見直すべきは「目的」


ということで
タマさんと協力して
違う角度から考えてみました。



それは、、、








★目的を変えてみよう!




タマさんが「目的」と信じていた
「ご主人を子育てに参加させる」
の更に上の目的を探索してもらいました。



なんやかんやと話し合っているうちに
タマさんから出てきた答えは、、、







★家族で仲良く暮らす!



ステキですよね!



ですが、これまた
「目的」ではなく「目標」の
可能性あるため念のため確認しました。




A「ご主人は今と変わらないとしても、
家族で仲良く暮らせるようになった」

B「ご主人は子育てに関与するようになったけど、
家族で仲良しは実現できていない」

さあ、どっちがほしい???



タマさん超即答で
「絶対にA!」
でした。



タマさんはずっと
こう思い込んでいたんです。



家族仲良しのためには
「夫の子育て参加が必須なんだー!!」
って。



でも実はそれも手段だったんですね。



これでようやく
*タマさんがほんとにほしいもの
がハッキリしました。




家族仲良しのための手段


目的が変わったことで、
タマさんが自分に投げかける
問いも変化しました。



旧)「どうしたら夫は子育てする?」

新)「家族仲良しになるために私にできることは?」



これまたなんやかんやと話し合いをつづけ、
タマさんが自ら見つけた答えは

☆「感謝」

でした。



なぜならこれこそが
☆自分が一番欲しいもの
だったから、、、だそうです。



以下が努力の末に語られた
実際のタマさんの言葉です。
(許可は頂いています)




「私はずっと夫が『してくれないこと』
ばっかり見てました。


それでいつもイライラしてたんです。


でも最近ようやく
それなりに生活できているのは
夫が仕事してくれているお陰って
ことに気づきました。


そのこともずっと
「たかがそれくらいで」
って思ってたんですよね。


でもそれって夫が
「子育てくらい」
「家のことくらい」
って思ってたのと同じじゃないですか。


それに気づいてから、
夫が『してくれていること』に
初めて目が向くようになりました。


そしたら、なんでか、
夫に感謝の気持ちが湧いてきたんです!


とはいえ、ありがとうって言うのは
癪だから言わないんですけどね^^」




その後のタマさん家


わざわざ「ありがとう」を
言わなくても感謝の気持ちは
ふだんの表情や態度で伝わるもの。



気づけばご主人が
タマさんをねぎらうように
なったと報告してくれました。



それだけじゃなく、
しょっちゅう怒鳴っていた息子に対しても
「やってないこと」ではなく
「やっていること」に
目が向くようになったと、

その結果、親子関係も
よくなったと報告してくださいました。



すると最終的には
家族でテーブル囲んで
一家団欒なんてことが
実現したんですって!



ここでようやく
目的を達成できた
タマさんでした。



頑張ったもんね!
よかったですね^^




まとめ


相談初期にはこんな結末が
訪れるなんてタマさんは
一ミリも思っていなかったようです。



でも実現した。



それはタマさんの
こんな努力の賜物ではないかと
思うのです。



1)相手を変えることをやめた

2)自分がほんとうにほしいものを具体化できた
(これをニーズと呼びます)

3)ニーズを満たすために
「自分にできること」をつづけた




これくらいシンプルなこと。



「感謝」はとても大切ですが、
それがこの結末を引き寄せたというより、
「真のニーズ」に気づけたことが
タマさんのゴール到達に役立ったのだと思います。



私たちが行き詰まっているとき、
以前のタマさん同様

●手段の目的化

に陥っているのかもしれません。



そんな時はその先にある

*大切な目的(ニーズ)

を探してみませんか?



あなたの健闘を祈っています!

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高澤信也
専門家

高澤信也(心理カウンセラー)

カウンセリングオフィス トリフォリ

「私が子どもをダメにしてしまう?」と心配なママ・パパへ 〜 “自分らしく“生きる子に育つ!子育て感情セラピーで親育ち&子育てをサポートしています。

高澤信也プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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