子どもの心はどんなふうに育つ?
子どもが言うこときいてくれない
「子どもが全然言うことをきかない」
「子育て頑張ってるけど、
全然思うようにいかない」
「もう、イヤ。しんどい…」
相談でよく聞く訴えです。
懸命に頑張ってるのに
子どもは全然思う通りにならない。
それで時々すごく腹が立って
子どもに癇癪ぶつけたり、
大声で怒鳴ったり叩いたり、
言葉で否定したり貶めたり。
時間が経って落ち着くと
やりすぎたことをひとり反省会。。。
そんなことありませんか?
怒りに脳をハイジャックされてしまうと、
残念ながら理性的な「選択」や「対応」は
どんな人でもできなくなってしまいます。
だからこそ「これってよくない!」と
冷静なときなら気づけることであっても
ハイジャック時には気づけないのです。
大変残念なことに、
私もたまにハイジャックされてます_| ̄|○
解決努力の勘違い
「子育てがうまくいかない」
という悩みは言い換えると
「子どもが望み通りに育ってくれない」
ということを意味します。
子どもに
・言うこときいてほしいのに全然きかない
・従順になってほしいのに主張だらけ
・人に迷惑をかけてほしくないのに自分中心
・強くなってほしいのに弱音を吐く
・しっかりしてほしいのに甘えてくる
どんなに頑張ってもうまくいかない。
疲れと悩みでへとへとになりますよね。
ですが、まさかのまさか、
悩みが維持される原因は
「うちの子はどうしたら
望むような子どもに育ってくれる?」
言い換えると
「どうしたら親の望み通りになってくれる?」
というこの”解決努力”の問いにあったのです。
この問いの裏にはこの前提が潜んでいます。
↓
「子は親の望む通りになるもの」
しかしこの前提はこんな悪循環を作り出します。
前提が作り出した悪循環
「子は親の望む通りになるもの」という前提
↓
なのにわが子は全然思う通りにならない
↓
思うように変えようと
手を変え品を変えかかわっていく。
↓
しかし子どもは思い通りにはならない
↓
怒りが蓄積し、
言うことをきかせるべく叱責する。
時には怒鳴ったり叩いたり。
↓
子どもには「怒られた」という事実と
恐怖心だけが残り、その結果具体的に
何をどう改善すればいいかという大切な
ことは残らない。
したがって子どもは同じことを繰り返す
↓
スタートの前提に戻ってループ・・・
さらにこのループは第二の悪循環を生みます。
子どもへの叱責が繰り返される
↓
子どもは「怖い」をなだめてもらえないため、
自分で「怖い」をなだめる力が育っていかない
↓
その結果
*「怖いこと」を“起こさない”
を目標に据える。
・
たとえば子どもらしさを抑え込んで
親の顔色や機嫌をうかがったり、
ムリして「いい子」を演じたり、
自分の欲求や「イヤ!」を飲み込んだり。
↓
それがいつしか「生き方」になり、
家族以外の人間にも同じパターンでかかわる。
・
たとえば、、、
相手の顔色や機嫌をうかがい、
相手の期待や意向をエスパーの如く
読み取ってはそれに副おうと努力し、
相手からのネガティブな反応を避けるべく
ムリして「いい人」のフリをしたり。
↓
その結果「自分軸」ではなく「他人軸」で
生きる人生が固定化し、人の中にいるだけで
心クタクタの“生きづらい”状態に陥っていく。
・
・
↓
さらにこの子が親になり、
同じ悪循環を繰り返す
・
・
↓
世代を越えて悪循環が連鎖
悪循環の真の原因とは
気づいた世代がこの悪循環を断ち切れば、
それこそが解決につながりますね。
ということは
「子は親の望み通りになるもの」
という前提を変えればいいだけです。
正しい前提は
「子どもとはいえ別人格。
親の思う通りにはならない」
これで解決!!!
となるかというと、
多くの場合そうなりません。
理由は、この前提自体が
「あなた」と「あなたの親」との関係
によってできあがったものだからです。
ここでちょっとだけ
子ども時代を振り返ってみてください。
あなたの親御さんは
・あなたの言い分に耳を傾けてくれましたか?
・あなたのネガティブ感情を受け取ってくれましたか?
・自分が誤ったときには謝ってくれましたか?
・「あなたらしさ」を尊重してくれましたか?
・あなたが進みたい方向を応援してくれましたか?
・あなたの自律性を育んでくれましたか?
・怖いときには守りなだめてくれましたか?
さらに、あなたの子ども時代のわが家に
次のような「ゆるし」があったかどうかも
振り返ってみてください。
子どもなんだもの、
・「感情を自由に表現していい」
・「無邪気でわがままであっていい」
・「自分らしくあっていい」
・「親にたくさん甘えていい」
・「親の問題なんて気にしなくていい」
もしも問いへの答えにイエスが多いなら、
「子は親の望む通りになるべき」
といった前提はできなかったはずです。
なぜならイエスが多いほど
この前提とは正反対ともいえる
*「子どもらしくあっていい!」
*「自分らしくあっていい!」
と信じることができるから。
それを信じたまま親になったときには、
*「わが子は子どもらしくあっていい!」
*「うちの子は自分らしくあっていい!」
を子どもに与えられるはずです。
つまり、
「子は親の望む通りになるべき」は、
かつての“あなた”が“あなたの親”との
関係において自由に「子どもらしさ」を
謳歌できなかった名残なのかもしれません。
悪循環切断の糸口
冒頭でお伝えした悪循環は、
ただ表面的に
「怒らない自分になる」
に取り組んでもなかなか解決できません。
子ども時代のわが家では満たされなかった
*大切なニーズ
に気づいて満たしなおしていく。
そこに根本的な解決があります。
子どもの大切なニーズとは、、、
*怖いものから守ってもらえること
*愛する人とのつながりを感じること
*不完全な自分をそのまま受容してもらえること
*自由に感情や想いを表現できること
*自分の力を信頼できること
*笑い、遊び、楽しく過ごすこと
etc.
子ども時代に戻って親に満たしてもらう、、、
なんてことはさすがにできません。
また、あなたの親が心変わりして
ニーズを満たしなおしてくれる、、、
なんてこともあまり期待できません。
だからこそ
◎与えてくれる人からもらう
◎自分で自分に与える
を大人的に洗練してやっていくこと。
これが
★自分の育て直し
になっていきます。
悪循環を断ち切れたあとの未来
もしもあなたが
「子どもらしさを大切にしていい!」
「私は私であっていい!」
と自分にゆるしを与えられたら、、、
★あなた自身の生きやすさ
が得られます。
それだけでなく、わが子にも
「子どもらしくあっていい!」
「あなたらしくあっていい!」
を与えられるようになりますから、
お子さん自身にも
*自己肯定感
*自立心
*人とつながる力
などが着実に増えていくでしょう。
子育てを根っこからよりよくしたいなら、
まずは自分を調えること。
それが
*親育ち
*子育て
を加速させてくれますよ。
健闘を祈っています♪