子育てに悩む親が取り組むべき大切な“親の仕事“とは

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て


子育ての悩みの原因はたった一つ

世にはたくさんの子育ての本がありますよね。

・褒め方、叱り方
・アンガーマネジメント(怒らない子育て)
・自己肯定感の育て方
・自立心の育て方
などなど


子育ての悩みの種類は
一見無数のように感じられても、
実は悩みの大元はたった一つです。


それは

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
|◉わが子が自分の期待と異なっている|
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


気づいていようといまいと、
親は子どもに
「こうであってほしい」
「こうなってもらいたい」
とさまざまな期待を持っているものです。


わが子が親の期待(理想、願望)に
添ってくれているうちは安心できます。


しかし、、、

不安を抱えきれない親たち

わが子が期待に添ってくれているうちは
安心できる一方、期待と異なる状態に
なるや否や不安に苛まれてしまう。。。


それが
「子育てに悩んでいる」
状態です。


そのままでは親は不安で非常に苦しい状態。


何せ不安は「恐怖」の仲間。
不快度数が非常に高く、
そのままにしておくことが難しい感情です。


それを抱えきれない時に起こることが



【子どもを期待に添わせようと働きかける】


例えば
・怒りを使ってコントロール
・嘆きを使ってコントロール
・子どもの罪悪感を刺激してコントロール
・否定や批判や辱めでコントロール
・懇願してコントロール
・「あなたのため」という詭弁でコントロール
・「常識・正しさ」を盾にコントロール
etc.


働きかけ方がさまざまであるため
一見別々の問題のように見えますが、
実は仕組みは非常にシンプルです。


まず最初に
*親の期待
があります。


わが子には期待通りでいてほしいのです。


期待する目的は
*親が安心したい
です。


しかし現実のわが子は
思い通りになりません。


なぜならわが子と言えども
*「自分らしさ」「子どもらしさ」
を持つ独自性の高い存在だからです。


したがって
*「理想」と「現実」にギャップ
が生まれます。


人はこのギャップを悩みと呼びます。


ギャップが生まれると
*負の感情
が湧いてきます。


ここでは「不安」です。


そしてこの「不安」のエネルギーを使って
*子どもを期待に添わせる
ための働きかけをおこないます。


つまり
*コントロール
です。


図に示すとこんな感じです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◎目的:親が安心したい
 ↑
◉目標:親の期待に添わせる
 ↑
(ギャップ=悩み)→不安→コントロール
 ↓
●現実:子どもは自分らしさを持つ
(つまり親の期待とは異なる)

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怒りであれ、嘆きであれ、罪悪感の刺激であれ、
どんな方法を使おうと結局根底にあるものは



【子どもを期待に添わせて安心したい】
なのです。


なぜ親はそうしたがるのか?


それはわが子が“愛しい“から。


愛しいからこそ
「安全であってほしい!」
「心穏やかに過ごしてほしい!」
「幸せになってほしい!」
と願うもの。


しかし親がわが子に
・わが子の性質と異なるもの
・本質的ニーズを損なうもの
を期待し、そのコントロールに囚われた結果、
親子関係がこじれたケースを多く見てきました。


愛情が招く断絶。
とても悲しいことです。


世代を越えて起こる「不安の連鎖」

この状態にある子どもたちは
【親の不安の解消役】
という役回りを引き受けさせられています。


本来、子どもの不安を安全基地として
引き受け、なだめるのが親の仕事。


したがってこの環境は
*親子の役割の逆転
が起こっていると言えます。


不安に限らず、怒り、悲しみ、恐れ、
寂しさ、嫌悪といった負の感情を
なだめてもらえなかった子どもたちは
どうなるでしょう。


その親たちがそうであったように、
その子たちも自分で不安を鎮めることが
できなくなる可能性を否定できません。


その結果どうなるでしょう。
他者になだめてもらわなければなりません。


その子が大人になり、親になったとき
何が起こるでしょうか。


また同じように
【わが子に不安を鎮めてもらう親】
になってしまうかもしれません。


とても悲しい負の連鎖です。


不安に打ち負かされる理由

不安に対処ができない人の大半は
次のいずれか、あるいは両方を
普段からやっているものです。


①自ら悲観的な想像をする→それを鵜呑みにする
(結果、自分で不安を肥大させる)

②湧いてきた不安という感情を取り除こうとする
(感情は取り除けない。かえって苦しみが増す)


これはいずれも
苦しみを増悪させるやり方。


やればやるほど不安に取り憑かれ、
日常生活がままならなくなることすら
あるのです。


A子さんの事例

以前こんなケースがありました。


息子が親もとを離れることが不安で、
子どもの意向を押し切って地元の大学へ
無理強いして行かせたA子さんの事例です。


A子さんのその時の不安とは、
わが子が親もとを離れてしまえば、、、

「悪い人たちと付き合うかもしれない」
「変な女性に引っかかるかもしれない」
「勉強せずにダラけた子になるかもしれない」
「引きこもってしまうかもしれない」
etc.
といった悲観的な未来予測ばかり。


実際はその想像はなんとなく
「そんな気がしている」だけ
にもかかわらず、A子さんは
これを「ほぼ100%の真実」と
鵜呑み状態でした。


その結果不安の度合いは
現実離れしたレベルまで肥大。


不安という不快な感情を取り除くべく
その時にA子さんが選択した手段が
「子どもを手元に置いておく」
というコントロールだったわけです。


一旦うまくいったように見えたこのケース。


10数年の時を経て息子さんから恨みを
ぶつけられて初めて、自分がわが子に
してきたことを悔やんでおられました。


子育ての不安に打ち勝つ方法

わが子を愛すればこそ
心配は尽きないものです。


しかしだからといって
不安に対処できないままなら
子育ての不安は肥大するばかり。


ここでようやくタイトルの答えです。


子育てに悩む親が最初に取り組むべき仕事は



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*自力で不安をなだめられる自分になること
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自分で不安をなだめることができれば
親の私たちは落ち着くことができます。


落ち着くことができれば
理性的な判断ができます。


理性的な判断ができれば
有効な行動を選択できます。


つまり自分で不安をなだめられたら、
私たちそれだけで十分機能できるのです。


ではどうやって不安をなだめましょうか。


それは次のステップを日々練習することで
可能になっていきます。


①少しでも早く不安に気づく
②地に足をしっかりつける
③ストレッチ等で筋肉の緊張を緩める

(それが終わったら)

④自然でゆっくりとした呼吸をつづける
⑤思考ではなく身体の反応を観察しつづける
⑥注意が思考に逸れたらまた身体に注意を戻す


不安が強いときほど
意識は思考に溺れている状態。


思考から距離を取れるようになることが
不安対処の秘訣です。


先に挙げた不安の対処法は
日々練習すればするほど対処力が上がります。


継続によって気づけば
「最近あんまり不安にならないなぁ」
といった自分になることが可能です。


子どもにどうかかわるかのその前に、
まずは親である私たち自身が不安に
対処できるようになりましょう。


それが子育てを
飛躍的により良くする秘訣ですよ。


かく言う私もまだまだ道の途中。
一緒に取り組んでいきましょう^^

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高澤信也
専門家

高澤信也(心理カウンセラー)

カウンセリングオフィス トリフォリ

「私が子どもをダメにしてしまう?」と心配なママ・パパへ 〜 “自分らしく“生きる子に育つ!子育て感情セラピーで親育ち&子育てをサポートしています。

高澤信也プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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