子どもに怒る→後悔→「ごめんね」→でもまた怒る…の悪循環を解く

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て


カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。

息子が通う小学校では今週から分散登校が始まることになりました。ということで宿題課題の終わってないやつを仕上げないといけない息子ちゃん。にもかかわらず今日も遊びを優先しようとするアホ息子…。遅くまで丸付けやらやり直しの手伝いしないといけないこっちの身にもなれ!って感じで今朝はプチバトルでした_| ̄|○

でもですね、しばらく時間経つと思うんです。
「別に怒らなくてもよかったな。嫌な思いさせちゃったな」
そして後悔。そして家に帰って「ごめんね」。

ちょっとした悪循環ですね。とほほ。。。


何に対する怒り?

ところで私は息子の何に対して怒りを覚えたのでしょうか?

・宿題をしなかったこと?→わが家は勉強を重要視していません。
・遊びを優先したこと?→遊びはとても大切と思っています。
・親の言うことを聞かなかったこと?→自然なことですね。

いろいろ探索していったことで、自分が何に反応していたかが徐々にわかってきました。この件に関して私が怒っていたことは
*自分が担うべき責任を果たそうとしていないこと

リミッターを外して言葉を選ばずに言わせていただくと、、、
「てめー!自分のことじゃろうがい!自分でやらんかい!!」
って感じです(汗)

なぜそれに怒り?

では私はどうして「自分のタスクをやらなかったこと」に怒りを感じたのでしょうか。引き続きそれも探索してみました。

すると「自分のことは自分でやるのが当然!」というマイルールが見つかりました。言わゆる「価値観」というやつですね。

人は自分の価値観に合ったものを「良い」と判断し、合っていないものを「良くない」と判断します。ですが、これは結局主観にすぎないんですよね。もっと言えば「個人的な好み」。

ここに引っかかっていたのは息子ではなく「私自身」ということでした。残念。

その価値観はいつから?

ところで、価値観は厳密には「認知(思考のこと)」ですから、生まれながらに持っているものではありません。どこぞから輸入して初めて持つようになるものです。

ということで、私が「自分のことは(絶対に)自分でやるべき」という頑固な価値観はどこから輸入したか探索してみました。その結果輸入元が判明!
それは子供の頃からうんざりするほど聞いてきた父の口癖でした。

(鬼瓦みたいな顔して、大きな怒鳴り声で)
「ちゃんとせんか!!!」

なるほどね。こういう仕組みということですね。
●そんな感じで突然怒鳴られる(しかもいつくるか分からないので予測できない)

●超怖い

●でも繰り返される

●「同じ思いをしたくない!」

●怒鳴られないための工夫をする

★それが父の口癖をそのまま取り込むこと

つまり「(何かはよく分からんけど、とりあえず)自分のことは自分でちゃんとなんとかしないといけない!!!」

それがいつしか価値観として根付いた、、、ということでした。それだけならまだよかったのですが、この価値観の背後には
*強烈な子ども時代の恐れ
がくっついています。

大人になって体は大きくなっても、過去は過ぎ去ったと頭で理解できても、それでも当時の超怖いは神経レベルに刷り込まれたものですから、頭で理解しようとしてもなかなか外れてくれません。なんとも厄介ですね。

「怒るのやめなきゃ」のその前に

ちょっとしたイライラ、ムカムカくらいならさして支障ありませんから、そんなものまで引っ張り出して「怒っちゃダメ!やさしい親にならなきゃ!」なんてやる必要はありません。もとい、そうやっちゃダメなんです。

感情を禁止すると、たいていの場合はそのうち倍返し、三倍返しなんてことになりがちです。なので、
「多少はイライラするもの。だって親も人間だもの♪」
くらいで十分ではないかと思います。

その一方で、今回の事例のように価値観がらみ、しかもそこに恐れがくっついているものであれば、怒り方が過剰になることが少なくありません。その過剰な怒りエネルギーを止めようとすればそれこそ大炎上確定になりかねません。

ということで、あくまでも個人的なお勧めですが、怒り対処のフォーマットとしてこんな感じはいかがでしょうか。

①自分が怒りを感じることを許す
(許すのは「感じること」であって、「ぶつけること」ではないですよ)
②怒りに素早く気づく
③その場を離れる
④怒りを身体のどこでどんなふうに感じているか観察する
⑤少し落ち着いたら身体の力を抜いて深呼吸
⑥そこそこ落ち着いたら怒りの大元探索

1)私は何に対して怒ったんだろう?
2)なぜそれに怒ったんだろう?
・・・価値観を発見できたら・・・
3)いつ、どこでそれを輸入したんだろう?
4)原体験発見=「あ〜、あれの影響か。なるほどね」
5)大人の自分で理性的にその価値観を再検討する

ところで今日の私もこれをやりまして、価値観を再検討した結果、、、
「自分のことは極力自分でやってほしいけど、絶対にそうじゃないといけないってことはないもんなぁ。まあ彼が自分のことを自分でやれなかったとしても、その結末は彼がどうせ負わないといけないから、その結末で学んでもらえばいいか。ひとまずそうってことにしとこう」
、、、というところに着地できた今日でした。

さいごに

人は気づかないうちにいろんなところでいろんな価値観を仕入れています。親、家族、友だち、学校、メディアなどなど。価値観はある意味「信念」ですから、自分でもそれを持っていることに気づきにくいですし、気づいたとてなかなか変えることが難しいものでもあります。

ではありますが、信念レベルの価値観であっても、言ってしまえば「思考の癖」みたいなものですから、絶対不変というものでもありません。

自分を助けてくれる価値観は残し、苦しめる価値観だけ見直す。それができると子育てで感じる怒りも減るでしょうし、何より生きやすさが増えると思います。

どうか親のあなたに心の平安が訪れますように。
その結果子どもたちに心の平安が訪れますように。

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高澤信也
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高澤信也(心理カウンセラー)

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