【悩み苦しみの取り除き方・その①】正しく問題を把握しよう

高澤信也

高澤信也

テーマ:子育て


こんばんは。カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。
毎日投稿が危うく途切れる寸前でしたが、ギリギリ間に合って今投稿しました。

さて、心理カウンセリングには心理学がつきものですが、個人的にはそっち方面よりも仏教(お釈迦様の教え)や問題解決技法のほうが肌に合っていて、お陰で支援の助けにもなっています。

ということで今日はちょこっとだけ問題解決の視点を使ってみようと思います。

現状の把握

心の問題であれ、現実的な問題であれ、まずはっきりさせないといけないことは「何が問題か」です。ここがズレてしまうと、そのあとやることなすことズレズレになってしまいます。なんでも最初が肝心ということですね。

今回は架空のハナコさんに登場していただき、実際のカウンセリングのケースっぽくお伝えしてみます。お手すきの方は自分の困りごとに当てはめて考えてみてくださいね。それではスタートです。

ハナコさんの事例

Q)「あなたは今どんなことで困っていますか?」
A)「夫が子育ても家のことも何もしないんです!何度言ってもダメなんです!そのクセ私にはダメ出ししてくるんですよ!嫌でしょうがありません1」(しばらくお話を聞き続ける)

Q)「それによって、具体的にどのように困っていますか?」
A)「ストレスが溜まってイライラなるし、そのせいで子どもにもあたってしまうし、最近は夜も眠れなくなってきました」

Q)「その問題を解決するために、これまでにどのような対処をしてこられましたか?」
A)「いえ特に何も。だって夫のせいでこうなっていますから」

ここまでお読みいただいでどんな印象を持たれましたか?特に違和感は無かったのではないかと思います。むしろ「うちも一緒!」と感じた方も多いかもしれませんね。(わが家がそうでないことを心から願うばかりです^^;)

もう少し続けてみましょう。

本当の問題を認識する

しばらくご主人についてのお話をお聞きしたあとで

Q)「ではご主人はそのことでどのように困っておられますか?」
A)「夫は困っていません。むしろ自分がいいようにやっていますから」

Q)「そうですか。ご主人にもいろんな課題があるのですね。ご主人はそれに取り組んでくれそうですか?」
A)「絶対にありえません!自分は悪くないと言い切っていますから」

Q)「そうですか。それは残念です。ではご主人のことはご主人にお任せしましょう。ところであなたはご自身の何に困っておられますか?」
A)「?????」

Q)「あなたはご自分の何を変えたいですか?』
A)「・・・・・」

(しばらくなんやかやと話し合ったあと)
A)「夫にイライラするのは諦めます。でも子どもたちに八つ当たりするのはやめたいです」

Q)「それを解決するために、これまでどんなことをされましたか?」
A)「絶対に怒らないと決めて我慢したり、怒りをなくす本を読んだり、友だちに相談したりしました。でもどうにもならなくて…」

問題解決のスタート

問題解決となると大抵は【解決策】を最初に求めがちですが、私たちの悩み苦しみを始め、問題を解決するための第一ステップは、、、



★解決すべき「真の問題」を明確にする

先の例のハナコさんの苦悩が取り除かれなかった理由は、解決策が不足していたからではなく、問題を「夫の非協力」に設定していたが故でした。だからこそ「夫を変えること」が目的になり、それを達成する手段として「夫を責める」「協力するよう強く要求する」を続けていたわけです。

しかしこの「解決努力」とも呼べる手段によって、夫の反発、イライラ増加、子どもへの八つ当たり…などといった想定外の結末(副作用)を招き、さらに苦悩が深まってしまいました。

真の問題が明確になって初めて解決策が選択できる段階に進むことができます。「真の問題」とは正確な【目的地】みたいなもの。そこさえズレていなければ、途中道で迷うことがあっても必ずルート上に戻ることができます。

にもかかわらずこの「目的地」がズレていることに気づかないまま人は解決策というルートを探しがちです。

それが問題が解決しない大きな原因の一つです。

ズレた目標

先のハナコさんは「息子への八つ当たりをやめる」という【自分が解決したい課題】がハッキリしましたが、それ以前は「夫を変える」に設定されていました。

これはズレた目標の代名詞的存在の
*他者を変えたい

ここに留まってしまうことによって問題は膠着し続けます。
なぜなら「過去と他人は変えられない」からです。

他にもズレた目標があります。
次いでは
*「そうなったらいいなぁ」という願望(WANT)

そうなったらいいけど、そうならなくても支障がないもの。それが願望です。
人は困っていないことを解決しようとはしませんから、ここを大事な目標のようにしてもなかなか動けないものです。

他にもズレた目標があります。
それは
*「そうすべき(あるべき)」といった要求(SHOULD)

そうあるべきと思っていても行動を起こせていないなら、それは本当は「したくないこと」です。それでも「やらねば!」と思うほど本音との間に葛藤が起こり、苦しくなってしまいます。

ちなみに話し合いの中で出されたハナコさんの目標は「したい」や「すべき」を超えた、、、
★欠かせない大切なこと(NEED)

もしあなたが解決したい問題があるのに解決できない。解決しなきゃと思っても動けない。そんなときは

●「他者を変えようとしていないか?」
●「それがなくても支障がない願望を大事な目標と勘違いしていないか?」
●「したくもないし必要でもないことを『すべき』と強要してはいないか?」

といったことをチェックしてみてください。

もしいずれかに当てはまっていたら、それを超えた「欠かせない大切なニーズ」を探索してみてください。それさえ見つかればあとは解決策を見つけて実践へゴー!でOKです。

今日の記事がそのお役に立てば嬉しい限りです。

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高澤信也(心理カウンセラー)

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