子育ては母親の責任?
カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。
子育ての不安編の3回目となる今回のテーマは
「(わが子がよその子と比べて)できない子だったらどうしよう…」
です。
子育ての不安あるある
子どもが親子のニコイチ関係でいるうちは気になりませんが、少しずつ行動半径が広がり、人のなかで過ごす機会が増えてくると、わが子とよその子の違いが気になり始めることは少なくないようです。
「ハナコちゃんはあんなに明るいのに、うちの子は大人しい。このままではお友だちができないかもしれない!」
「タロウくんはあんなに賢いのに、うちの子は勉強ができない。このままでは将来ちゃんとした大人になれないかもしれない!」
「ヨシオちゃんはあんなに優しいのに、うちの子は自分のことばっかり。このままでは自己中になってみんなから嫌われるかもしれない!」
隣の芝は青いと言いますが、わが子だけ見ているうちはかわいいわが子だったのに、よその子と比べ始めた途端、親の不安が強まることは少なくありません。
その結果
親御さんがわが子をよその子と比べ、「うちの子は劣っている」と判断し、不安を爆発的に増加させてしまった場合、、、
「ああせい、こうせい!」「ああすな、こうすな!」と親の期待を押し付ける。
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子どもはそれに無理して応えようとする。
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応えてくれたら親は喜ぶ。
応えてくれないとがっかりしたり怒ったり。
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子どもはありのままの自分にOKを出せなくなる。
親の期待を読み取るエスパー的生き方を身につける。
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親は子どもが無理していることに気づけない。
「うちの子、いい子」と見なす。
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子どもは自分らしさを失っていく。
心が渇いていく。
すごく従順でいい子だったわが子が、ある時期を境に反抗して手がつけられなくなるケース、あるいは爆発できないまま心を病んでしまうケースには、ここで述べたような【条件付きの愛情】が往々にして潜んでいることを目の当たりにしてきました。
ありのままを奪われた子どもの心が渇いていく様はあまりに辛すぎます。
逆説でうまくいく
今回の逆説はちょっと難しいかもしれません。一ひねり、二ひねり必要です。
正反対を字面で捉えると
*よその子と比較しない
*親の期待を押し付けない
あたりが順当ではないかと思います。
そしていずれも大切だと思います。
しかしながら、私たちはAとBを比較することによって現状を認識する生き物ですから、「比較をやめよう!」はスローガンとしては美しいですが、実行はかなり難しい気がします。
また、子どもを愛すればこそ親は期待もするでしょうから、「期待を押し付けるのをやめよう!」と言っても、これも難しいのではないでしょうか。
ということで一ひねり、二ひねりしてみます。
まずはよその子と比べては不安になり、親の期待を押し付ける【目的】を考えてみます。わが子が期待通りになってくれることで親は何を手に入れたいのでしょうか?
その多くは
【不安を取り除きたい(不快を感じたくない)】
です。
不安という非常に不快な感情を感じたくない!取り除きたい!と願うのは大抵の人にとってのあるあるではないでしょうか。
ただ、その不安を取り除くための手段が
【子どもが期待通りになるよう操作する】
になっていることによって悪循環が発生しています。
つまり
●不安を感じているのは親自身
にもかかわらず
●子どもがそれを処理する役目を負わされている
というズレが起こっているわけです。
ということでこの二ひねりを通じて今日の逆説は、、、
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★親自身の不安は自分で和らげる
親御さんが自力で不安をなだめることができれば、、、
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子どもは自分らしく生きていけます
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自分らしさは子どもを快活にします
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子どもの快活さは私たち親を勇気づけてくれます
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勇気づけられた親はわが子を勇気づけることができます
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という好循環へ
感情の境界線という概念がありますが、感情は自分の「内側」で起こっているもの。したがってその感情とどう付き合うか、どう処理するかは自分自身の課題になります。
しかしながら私たちは感情とのお付き合いの仕方や処理の仕方を教わってきていません。だから自分で扱えないままなのです。
子育ては大変な作業を伴いますから、感情的に動揺することは決して少なくありません。それなのに自分の感情をうまく扱えないままであれば、否が応でも「子どもを期待に沿わせようとする」手段が選ばれ続けることでしょう。
どうやら感情(ここでは不安)とのお付き合いの仕方を身につける必要が私たちにはありそうです。
ということで近いうちに
◯不安の解消法
をお伝えしようと思います。
子育てには不安はつきものですから、不安解消のワザを使って今よりも子育てが少しでも楽にしていきたいものですね。