「おかあさんたちの自助グループ」参加者コメント
カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。
今回からは予告どおり
*子育ての不安
にまつわる記事をシリーズであげていくことにします。
今日の不安は
「子どもが私みたいに生きづらくなったらどうしよう…」
です。
子育ての不安あるある
アダルトチルドレンというテーマで支援をおこなっているからでしょうか、子育て相談となると高確率でこういう訴えをお聞きします。
「子どもには私のようなつらい人生を送らせたくない!」
「だからちゃんとした親にならなくちゃ!」
しかしちゃんとした親になろうという思いは完璧主義に陥りやすく、子どもに干渉しすぎる傾向になりやすいからでしょうか、それと比例してわが子に「ああしなさい!」「こうしなさい!」ときつく言いすぎる(怒鳴るレベルも多々)のをやめたいという訴えは少なくありません。
「やめたいならやめていいですよ^^」
と言ってやめられたら問題ないのですが、そうできないから困っておられるわけです。
ここで「なぜやめたいのですか?」と問えば、たいていは「子どもが傷つくから」「後々あの子が生きづらくなるから」「自分と同じような苦労を背負わせてしまうから」などと言った答えが返ってきます。
わが子が傷ついたらどうしよう。先々生きにくくなったらどうしよう。そんな不安を抱えている様子がうかがえます。
そんな不安の裏には
「元気で楽しく生きていってほしい!」
という願いの存在が垣間見えますね。
行為レベルでは「きつい親」かもしれませんが、動機レベルでは実は「愛ある親」なのです。
その結果
とは言え、きつく言い過ぎたり怒鳴ったりが続けば、子どもは自信を失ったり、漠然と「自分はダメ」なんて勘違いしたり、チャレンジに対して億劫になったり、親(他者)の顔色ばかりうかがったりするようになるかもしれません。
こうなると親の願いと正反対。
「元気で楽しく!」がかえって遠ざかる可能性が高くなってしまいます。
また親御さんの側も「きつく言うのをやめたい」のに「やめることができない」ままだと自信喪失するでしょうし、漠然と「ダメな親」なんて勘違いもするでしょうし、自分にはどこかおかしいところがあるんじゃないか…なんて要らぬ勘ぐりまでしてしまうかもしれません。
こうなると親御さんは胸を張って子育てすることが難しくなってしまうでしょう。
これでは親も子もどっちもしんどいです。
逆説でうまくいく
今回も逆説を考えてみます。
そもそも目的は「子どもにつらい人生送ってほしくない!」という善なる意図にもかかわらず、しんどくなるのはこんな悪循環があるからな気がします(仮説です)。
スタート:子どもの不適応行動に気づく
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このままではこの子は、、、
「わがままになる」
「ご迷惑をかける」
「良くない子になる」
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ということは自分も、、、
「ダメな母と思われる」
「ちゃんとしてないと思われる」
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「このままでは大変なことになる」
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不安に圧倒される
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「ちゃんとしなきゃ!」が強まる
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過干渉傾向が強まる
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子どもは息苦しくなる
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「ちゃんとしなきゃ!」がさらに強まる
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子どもは防衛の姿勢を強める
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ときに行きすぎて侵入や支配に至る
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スタートに戻る=悪循環を繰り返す
ここから今日の逆説を探してみたところ、「ちゃんとしなきゃ!」が過干渉の引き金になっていますので、それをひっくり返したら良いかもしれないと思います。
ということで今日の逆説は、、、
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★ちゃんとしていない親になる
ちゃんとしていないって言っても分かりにくいですね。ちょっとだけ定義してみるとこんな感じではないかと思います。
*自分の限界を認める(完全にはなれませんから)
*自分の弱さを見せる(人間らしいです)
*人に助けを求める(自力+他力=自立です)
*感情を正直に見せる(つながりを感じられます)
*失敗する姿を見せる(子どもは安心できます)
etc.
「無理して頑張る」は
「自分らしさを偽る」です。
私たち人間はパズルのピースみたいな存在で、彩り鮮やかなピースや人一倍大きなピースもあれば、反対に地味な色のピースやちっちゃいピースもありますよね。では前者のピースがいいかと言うと、そうとは言えないのではないでしょうか。
たとえどんなに美しくて立派なピースが中央にどんと居座っていたとしても、ちっちゃなピースひとつ欠けただけでそのパズルの美しさは失われます。いろんな彩りがあって初めて全体の調和が取れるもの。
人間もこれと一緒で、ピースの良し悪しは色や形で決まるものではなくて、「自分らしさ」という形が何より大切で、それがあって初めてこの世界全体が調和が取れる、つまり美しくなるのではないかな、と思っています。
次回予告
明日のテーマは不安編の2回目にしようか、それとも違うものを一つ入れようかと思案中です。いずれにしても不安編はしばらく続けて参りますのでお楽しみに^^