子どもの心はどんなふうに育つ?
カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。
GWも明けましたね。わが家は車からの外出なしのぶらぶらドライブ&巣ごもりの連休でした。安全に過ごせたものの、寂しくもありました。コロナ禍が早く収束することを祈るばかりです。
さて、ここまで4回お伝えしてきた子育て【イライラ編】ですが、本日の5回目をもっておしまいといたします。次回からはまた新たにシリーズでお伝え予定です。
子育てのイライラあるある
うちの息子のことですが、彼は何回注意されても同じことを繰り返します。
「服を脱いだら洗濯カゴに入れてください!」「自分の仕事(ゴミ出し、布団敷き)は言われなくてもやってください!」「自分で決めた約束は守ってください!」などと何度言っても同じことを繰り返します。
そこでこう尋ねたりする訳です。
「言われんとせんのはなんで?」「なんで自分でできんかなぁ?」
すると平気で「わからん!」と言い切るので、「もしかしたらお前はアホなのか?」などと言うと、「アホじゃない!アホはとうちゃんやろ!」と反撃される日々ではありますが…。
その結果
本人に「なぜ?」といくら尋ねてもしない理由がわかりません。
「なぜ?」と聞いたところでできるようにはなりません。
ありゃりゃのトホホです。
私たち親は気軽に「なぜ?」と言うことが多いのではないかと思いますが、言えばいうほど子どもは責められている感じがして、それが繰り返されるとこんな悪循環を引き起こすこともあります。
子:すべきことをしない/すべきでないことをする
(これを「不適応行動」と呼んだりします)
親:「なぜ?」と理由を問いただす
子:責められている気がして防衛的になる
親:ますます問いただす
・・・こういったことが度々繰り返されると・・・
子:本音を言わなくなる(ごまかしの嘘が増える)
親:子への疑いを強める
子:ますます防衛的になる
↓
徐々に親子関係が悪くなっていく
まさに悪循環ではないでしょうか。
逆説でうまくいく
わが子の不適応行動を直してほしいと願うのは親心ではないかと思います。
先々社会の中で人様にご迷惑をおかけしないように、自己中にならないように、周りと力を合わせて生きていける人間になるように、などなどを願う親の愛情と言っていいと思います。
つまり親の動機は悪くない。
それなのにうまくいかない。
うまくいかないことを続けるほど悪化する。
ということで今日のテーマも逆説が助けになります。
「なぜ?」という質問は【過去の原因】を問うています。
ではその反対は何になるかと言うと、、、
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★未来の【目的】を尋ねる
先日息子が私に嫌味を言ってきたことがありまして、その時のやり取りをこの逆説に当てはめてみますね。
子:父にわざわざイヤミを言う(=不適応行動)
親:「それ言うのは何のためなん?それをするとなんかいいことあるんやろ?」
子:「とうちゃんがキーッとなるけん気持ちがスッとすると」
親:「何のためにとうちゃんをキーってさせたいと?」
子:「さっきとうちゃん僕の話聞いてなかったやん!それが嫌やったと!」
はい。ということでこんな仕組みだったわけです。
●きっかけ:私が息子の話を聞き流していた
●息子の目的:「聞き流されて嫌だった」を私に伝えたかった
●そのための手段:イヤミ
オーマイガー!きっかけは私でしたね。スマン(( _ _ ))
肯定的意図
先の例もそうですが、一見子どもの行動がどれほど不適切に見えても、実はそこには必ず
★肯定的な意図(目的)
というものがあります。
行動の目的は本人にとっては常に「善」であり、大切なものです。
但し、それを達成するための「手段」が不適切なことが多いため、私たち親からすると「不適切な行動」という括りで見てしまうわけです。
ということで、不適切と感じるわが子の行動に気づいたときは、
●「なぜ?」
と叱責チックに問いかけるのではなく
×
◯「何のため?」
と“好奇心をもって“尋ねたり探索したりするほうをお勧めします。
余談ですが、子どもの行動の意図(目的)の多くはこういったものではないかと思います。
*関心を向けてほしい
*訴えを聞いてほしい
*ありのままの自分を大切に扱ってほしい
こう書いてみると、これって私たち大人も結構「ほしい!」ものな気がします。
「みんな昔は子どもだった」のですからそれも当然なのかもしれませんね。
次回予告
全5回にわたってお伝えしてきた【イライラ編】はいかがだったでしょうか。
怒りのテーマについてはまだまだお伝えしたいことがたくさんありましたが、一旦ここでおしまいにします。
次回からは【不安編】を新たにお伝えしていく予定です。
子育てにつきものの二大感情は「怒り」と「不安」ではないかと勝手に思っておりますので、次回以降も力を入れてお伝えしてまいります。
乞うご期待!