目指せ築100年! 築62年の木造空き家の活用事例 【解体~耐震補強】

松本直樹

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テーマ:空き家を耐震改修し安全に活用しよう

解体そして耐震補強へ

解体時の密かな楽しみ

こんにちは。
今回は、解体~耐震補強までの話をしたいと思います。
以前は和室として利用されていた部分をリビングに変更する為に和室部分はスケルトンに解体。
また、南側の耐力壁が不足していたので、南側の壁も必要最低限に解体。間取り変更の為、天井部分も合わせて解体。
天井を解体すると建築当時に組まれたトラス構造の梁が出てきて、現し梁に活用しようと一瞬思いましたが、今回は夏の暑さを考慮し見送りしました。

解体の時の楽しみは、建物から歴史を感じることが出来る時ですね。年代のある程度経過した建物では小屋裏に当時の大工さんが墨で棟上げ日を書いている場合、また、小屋裏に棟札を置かれている場合もあるからです。残念ながら今回の解体ではそれらの物は発見されませんでしたが、古家を扱う時には必ず確認して建物の持つ歴史的背景を紐解くのも一つの楽しみだと個人的には思います。

          ↑解体前

          ↑解体後

耐震補強

下記、写真を見ると分かりやすいのですが、解体後の開口部は明らかに弱そうなのが伝わるかと思います。
今回の計画では耐力が不足してる壁面部分に筋交い(45×90)シングルを入れて補強。
ダブル筋交いとしても良かったのですが、1カ所に力が集中するのを避けえる為にあえて、3カ所の壁面補強を実施しております。元々は土壁で建築されていたので、今回も可能であれば土壁で補強計画を進めてみようと思いましたが、工期、予算の絡み上筋交いで耐震補強を終えております。

          ↑45×90のシングル筋交を用いて耐震補強

基礎増し打ち工事

上部構造の耐震補強に加えて基礎も増し打ちして補強しております。
基礎の増打ち補強には、内側に補強する方法もあるのですが、施工性を考えて基礎の外側に新規の基礎を抱き合わせて補強を実施しております。配筋時の写真を見た頂くと分かりやすいのですが、土台が腐食しており耐力にも影響があるので、土台も取替えて建物の足元を補強しております。

          ↑基礎増打ち配筋

          ↑基礎増打ち完了

「耐震補強工事」となると大掛かりな工事かと思われますが、各行政から様々な補助が出てる場合もありますので、
ご自宅の耐震が気になられる方は、一度耐震診断をされても良いかと思います。

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松本直樹
専門家

松本直樹(建築家)

株式会社松本再生建築研究所

リノベーションやコンバージョン(用途変更)で、古い建物や空き家の再生を提案。建物の持つ歴史を尊重しながら、次世代に引き継げる資産へと変えていきます。改修に伴う補助金の申請もサポートします。

松本直樹プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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