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お客様と話して、伝えるのが難しいなと思うこと①

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

どうしても伝えきれない場合もあったり、
難しかったり、誤解や意図していない解釈をされたりなど、お客様と話して、
伝えることが難しいなと思うことは、多々あります。

今回、個人的に難しいなと思うものを、いくつか。

難しいと思うモノ

個人的に説明が難しいと思うものについては、
・価格の違い
・フレームの違い
・レンズの違い
・眼科での受診を薦めること
が主になってきます。

説明が難しい理由としては、自身の仕事を思い返してもらえたらわかると思いますが、
職業的な知識と経験の差になると思います。

例えば、圧倒的に技術力のある宮大工が、細かい知識や経験をお客様に説明しても、
なかなかピンと来られないと思います。

結局、家はできるのだから、一体、何が違うの?と思われる場合が多いかと。

細かい技術の違いではなく、結果、どんな効果があるのかなど、
そこがお客様の求められる部分と思います。

でも、その効果を得られる根拠のためには、
多少、難しい専門的なことも言わないといけないこともあり、
これをどこまで妥協して簡単に説明するかということになります。

価格について

フレームやレンズなどの価格については、なぜ高いのか、
なぜ安いのかが説明しづらいことがありますが、
それとともに、その価格が、そのお客様にとって合っているかどうかは、
その方の価値観によるところがあり、説明に悩む部分があります。

人によって価値観が違うため、
度数さえ合っているメガネであれば良いという方には、価格が安い方が良いに決まってます。
でも、価格が重要ではなく、とにかく見えやすい方が良い、違和感が少ない方が良い、
作りが丈夫な方が良いと言われれば、品質が良いモノになってきます。
要望と価格のバランスを考える人は、
その価格に対して、その方が満足できるかどうかを重視されます。

ネット・通販がほとんどされていないハイブランドフレームなどは、
どこの店に行っても同じ価格で、セールなどもしていないものが多いため、説明しやすいです。

でも、自社が取り扱っていない商品になると、難しい部分もでてきます。

素材的に、作り的に、一般的な説明はできます。
でも、それがどんな商品なのか、詳細が分からない場合も多く、
また、他店での取扱商品であるため、良い事以外は言いづらい場合があります。

フレームの素材や作りの違い

フレームの素材や作りについて、細かくは伝えることが難しいです。

素材については、材質的な特性や、フィッティングできるかなど、
そういう話はできます。

ただ、実際、作るのに数ヶ月や半年掛けようが、数日で作ろうが、見た目は同じ。

また、1日18時間365日使うモノであるため、扱い方によっては、
どんなに精密に作っても、5年と持たない方もいるし、10年以上使われる方もおられます。

踏んだにしても、同じ踏み方でも、力の加わり方で、折れる場合と折れない場合があるし、
前より高かったのに、折れたと言われても、条件が違うため、言いようがないです。

基本的にブランドを主体に話をするのは、デザインもありますが、
このブランドなら、こういう特性がある、作りがちゃんとしている、
きちんと対応してくれるなど、それがわかりやすいからになります。

ブランドとは、その商品群やイメージに対する信頼を意味すると考えます。
眼鏡専門店がブランドを選定し、ブランド側も大量生産できないため、
取扱店を選定するのはそういう意味もあると思います。

もちろん、このブランドなら安いだろうというのも一種のブランド価値と思います。

レンズについて

レンズについては、無色透明なので、多くの人にとって、どれも同じに見えると思います。

それでも、同じメーカーでも、数千円~10万円以上のレンズもあり、
子会社で安価なレンズを作ることもできると思います。

素材やコーティングについては資料が作りやすいため、
資料をもとに説明しやすいです。

でも、設計となると、専門的な話をする必要があり、
その全てのレンズの違いを、細かく把握・理解するのは、眼鏡店でも難しく、
製造メーカーの設計者が分かるくらいと思います。

そのため、大まかな説明になります。
例えば、乱視補正や近用設計(加入度ではなく)が組み込まれていることや、
オーダークラスになれば頂点間距離などを考慮されているなど。

また、眼鏡店の中には、ハイエンドクラスを中心に、自分で使ってみる方も多くいます。

実際、私もHOYAの累進レンズを、同じ度数でシンクロ⇒紬⇒雅Nと試してみて、
その違いを体感し、お客様に説明しています。

まとめ

お客様に伝えることが難しい理由としては、
・理解してもらうためには専門的な知識がいる
・大雑把にしか説明できない
・大雑把なため、伝えようとすることが誤解されて受け取られてしまう

多分、これはどんな職業でも一緒と思うので、できる限り伝わるよう、
努力するのは必要と思います。

次は、『お客様と話して、伝えるのが難しいなと思うこと②』について

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

豊福祐史プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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