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様々な壊れ方で持ち込まれるメガネ

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

『メガネが壊れたので直りますか?』という相談はよくあります。

大抵、『壊れた』という場合は、変形しているだけの場合が多く、
破損や折れている場合は、『折れてしまって』という言い方をする方が、
多いように感じます。

様々な壊れ方や、様々な理由で壊れていることがあり、
まぁ、驚くような理由の時もあります。

何もしていないのに壊れた

『何もしていないのに壊れた』という理由で持ち込まれる場合、
大抵は何かして壊れています。

というより、ある程度の品質のフレームであれば、
経年劣化でもない限り、何もしていないのに
金属や樹脂が曲がったり、折れたりするわけがないし、
もしそうなら、メーカーの初期不良となります。

これは分かってて言われている場合だけでなく、
本当に無意識の内に壊した場合もあると思います。

眼鏡店としては、折れていたり、部品交換が必要でなければ、
直すだけなので、問題はないですが、無意識でないなら、正直に言ってほしいと思います。

というのが、どういう理由でそうなったのかがわかれば、
どこが弱っているか推測し、そこに負荷がかからないようにすることが
できる場合もあるからです。

それがわからないと、感覚だけに頼らないといけなくなります。

踏んで壊した

踏んで壊した場合、結構な力が加わってると思います。

これがどこを踏んだかで結構、変わってきます。

『前に踏んだ時はどうもならなかったのに』と言われることがありますが、
踏んだ時の力の加わり方や、力が入った部分、そのときの状況など、条件が色々違います。

一番困るのが、溶接部分に力が加わった場合で、昔は、ニッケル合金などだったので、
仮に折れても、銀ろうで、ろう付けしていました。

今はチタンが多いので、特殊な真空溶接機などがないと難しいため、
折れていたら、修理工場送りか、部品交換となります。

洗濯機にかけた、自動車で轢いた

胸ポケットなどにメガネを入れている人の中には、
『洗濯機に掛けてしまった』『自動車で轢いてしまった』という人もいます。

胸ポケットに入れていると、そのまま忘れていたり、
自動車に乗る際に落ちて、気づかずに発進し、自分の車で轢くという感じです。

想像できるとおり、グニャグニャになっていたり、ペッシャンコになってたりします。

ただ、折れてなければ、コレでも元の形に戻し、使えるようになる場合があります。

絶対ではないものの、購入店に持って行けば、何とか直そうとしてくれるはずです。

その場合、下手に直そうとせず、そのままの形で持ってきてもらい、
形直し中に壊れる可能性があることだけは覚悟してもらいたいです。

ただ、形が戻っても、金属疲労はあるので、より丁寧に扱ってもらいたいです。

自分で形直ししようとして変形した

自分で形直し、またはフィッティングしようとして、大きく変形したという話は結構あります。
これが一番やっかいで、変なところに金属疲労が出てたり、樹脂なら熱で変形していたりと、
こっちでは分からない場合が多いです。

特に鼻パッドのアーム、クリングス部分については触れた瞬間に折れるということがあります。

最近では、動画を見ながら自分で形直しする方もいます。
もちろん、多少の変形なら自分でやっても問題ない場合が多いですが、
長く使いたいなら、避けた方が良いと思います。

接着剤で割れた部分を接着した

接着剤については極力使用しない方が良いです。
というのが、接着剤というのが、溶剤の場合が多くあります。

これがレンズに付着した場合、ヒビが入ることがあります。

『フロントが折れたので、応急処置で溶剤で接着しました』と持ち込まれ、
フロントの交換だけで済んだものが、レンズまで交換する羽目になったこともあります。

経年劣化

誰も使っておらず、適切に保管されているなら、経年劣化も少ないとは思いますが、
例えば、服であっても、365日毎日使用していれば、1年で結構劣化すると思います。
メガネの場合、365日顔に掛けるため、当然、汗や皮脂、紫外線などで
経年劣化していくと思います。

メタルの場合、張力によってリム切れを起こすこともあります。
樹脂の場合、クラックが入ることもあるし、変色することもあります。

これについては、製造工程や作り、価格の違いもありますが、
ある程度のフレームなら、長年使用することができます。

高品質なフレームでは、メタルの場合、できるだけ張力を消す工程があったり、
樹脂ではアセテートやセルロイドなどの素材であれば、
バフ掛けにより買ったときのツヤに戻すこともできます。

ただ、金属疲労やサビ、緑しょう、クラックなどは、
交換した方が良い場合もあります。

まとめ

部品交換が必要な場合でなければ、購入店で直してもらうことができます。
どういういきさつで壊れたのかなど、状況がわかれば、すごく助かります。

ただ、購入店以外に持ち込む場合や、あまりにもひどい場合、
金属疲労があったり、クラックがある場合、自身で直そうとしてしまった場合は、
壊れても良い覚悟で、お願いしてみた方が良いです。

次は、『意外だったレンズのキズ、熱割れ、コーティング剥がれ』について

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専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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