電脳メガネサミット2025に参加して
『光が眩しいのでサングラスがほしい』というお客様がおられました。
このように、光に対して過敏な方がおられ、
それに対処するためには、濃いサングラスが必要となります。
ただ、『できるだけ薄い色のサングラスで何とかしてほしい』という要望もあったので、
そのときに対応事例を。
眩しさを取るにはサングラス
眩しさをとる、つまり防眩対策としては、可視光線をカットする必要があります。
そうなると、当たり前のことですが、色がついているサングラスになります。
濃い色の方が、光を遮断することができますが、暗くなるので瞳孔は広がることがあります。
なので、色によっては眩しさが変わらないということがあるかもしれないです。
透明なサングラス?
よく『透明なサングラス』という言葉を聞きますが、
それは紫外線(UV)に対しての言葉と思います。
通常のメガネレンズは、ほぼ100%UVカットされているため、
それだけで良ければ、メガネで問題ありません。
ただし、既製品のサングラスなどには、
UVカットされていないものがある場合もあるので、
気になる人は、購入時に店員の方に聞いておくと良いです。
また、ブルーライトカットについては、
最大限までいれれば青くなり、逆に透明に近いものもあります。
なので、透明なサングラスは言い得て妙と思うものの、
可視光線をカットしていないため、ブルーライトに過敏な人以外は、
サングラスほどの防眩対策にはなりにくいと思います。
ヒアリングの大事さ
当初、眩しいからサングラスをという話であったものの、
ヒアリングでいくつか分かったことがありました。
①日中、日によっては目を開けていられないくらい眩しい
②夕日でも日中くらい眩しいことがある
③色が濃いサングラスをすると楽になる
④本当は色が薄いサングラスが良い(できれば透明に近い)
⑤同じ白色電灯でも、眩しいものと、若干楽なものがある
など
通常であれば①②③から、濃いサングラスを提案するのが普通。
でも、④という要望があり、⑤を聞いたときに何とかなるかもと。
もちろん、他の様々なことも聞き、参考にしましたけど、
主なところがこの5つかなと。
特定の波長の光に対して、特に過敏になっていると推測
同じ白色電灯で眩しいものと、若干楽なものがあると聞いた時、
特定の波長に対して過敏になっているのではないかと推測。
・可視光線は大きく『赤・橙・黄・綠・青・藍・紫』。
・白色電灯は、白色に見えているものの、それぞれ演色性(Ra値)が異なり、
分光透過曲線を見ると、3波長型や5波長型、LEDのように特定の波長が高いものある。
・多くの人の眼は3色型色覚で『赤・綠・青』。
こういう前提を考えると、特定の波長をカットしてあげれれば、
薄い色のサングラスでも対応できるのではないかと。
今回の事例の対処
問題なのが、眼鏡店は眼科ではないこと。
原因は推測できても、治療はできないし、推測を確定するための検査機材もない。
また、診断してはいけないので、お客様に伝えられる内容にも制限があります。
なので、通常のカラーレンズと、特定の波長をカットした機能性レンズ、
ブルーライトカットレンズなど、テストレンズを用いて、
体感してもらうことにしました。
試した結果は、
①カラーレンズ:多少楽になる
②機能性レンズ:かなり楽になる
③ブルーライトカットレンズ:楽にはなるが、カラーレンズ程ではない
同じ色の、薄い色の機能性カラーと、濃いカラーレンズと試してもらうと、
機能性カラーの方が楽ということもわかり、分光透過曲線を確認して、
苦手な波長も大体推測できました。
機能性レンズ>カラーレンズ>ブルーライトカットレンズであることと、
特定のカラーで楽になったことから、
この時は、ブルーライトカットのコーティング+機能性カラー(特定のカラー)
が付与されたレンズを提案。
お渡しした後は、色も薄いし、
濃い色のサングラスより、かなり楽に見えると喜んでもらえたので、良かったなと。
まとめ
今回は、『光に過敏な人へのカラー選定事例』の紹介でしたが、
来店されるお客様には様々な眼の方がおられます。
そういう方に対し、通り一辺倒の対応では、満足されないことも多いため、
ヒアリングが重要となります。
こういうヒアリングがなければ、自分も濃い色のサングラスを提案しただけと思うので、
なにかしらの困りごとがある場合は、眼鏡店と時間をかけて、
十分に打ち合わせした方が良いです。
要望全てに応えることは難しいと思いますが、
学びを続けている眼鏡作製技能士の方は多くおられます。
是非、行きつけの眼鏡店には、本当の要望を伝えて、相談してみてください。
次は、『電脳メガネサミット2025に参加して』について



