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眼鏡作製技能士に視力測定や加工などの要望が増えている件

豊福祐史

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テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

国家検定の眼鏡作製技能士が設立され、
『眼鏡作製技能士に視力測定や加工などをやってほしい』
という要望が増えてきました。

つまりは、『眼鏡というモノがほしい』のではなく、
『自分に合った視界・見え方がほしい』という人が増えたのかなと。

まず『眼鏡』という雑貨なら誰でも作れる

フレームという半製品と、レンズという半製品、
それに作製者によるヒアリングや測定・加工などを加えてはじめて、
その人にとっての『眼鏡』となります。

今回は、作製者によるヒアリングや測定・加工などに焦点を当てると、
『眼鏡』という雑貨でよければ、測定器・加工機などがあり、細かい部分を割愛して単純化し、
ある程度決まった手順に従えば、1日あれば誰でも『眼鏡』は作れるようになります。

少し言い過ぎな言い方をすれば、セットしてボタンを押すだけで勝手に測定して、
勝手に作られます。

ただ、これを一般医療機器としてのメガネとすると話が変わってきます。

ヒアリングにより要望にあったフレーム素材(+デザイン)、
レンズ設計(+グレード)を選定し、
自動測定機による他覚検査に加えて、測定者による自覚検査。
その視力や度数になる理由を考え、臨機応変に手法を変え、お客様の見え方を想像する。
加工時にも0.5mm以下の精度を目指すなど、
気にすること、気をつけることは、多岐にわたります。

当然、測定にも、加工にも時間はかかります。

雑貨でよければ、おそらくバイトの方でも問題ないし10分あればできます。
でも、一般医療機器としてなら、最低限の知識と技術が必要で、時間もかかります。

『眼鏡』という商品は、雑貨にもなりうるし、一般医療機器にもなります。
そのため、他人から借りたメガネや、間に合わせの老眼鏡などは、見た目は同じでも雑貨と考えてます。

その眼鏡を作るために、眼鏡作製技能士などの資格者がいます。

眼鏡作製技能士に頼む方が良い?

これについては、眼鏡作製技能士に頼んだ方が無難とは思います。

眼鏡作製技能士なら、眼鏡作製技能士に頼んだ方が良いと言い切れば良いと言われますが、
無資格でも優秀な人や、学び続けている人もいます。
資格を持っていても、資格取得だけが目的で学んでない人もいるので、
一概には言えないかなと個人的には思っています。

『初めて会った人に通訳をお願いする場合』を例として2つ
①英語能力が同じである2人がいて、一人は英検1級、もう一人は無資格。
 その人の英語能力がわからない場合は、どちらに頼むか?
②英検1級を持っているけど資格取得後20年英語に関わっていない人と、
 20年英語圏の海外に住んで仕事をしている人のどちらに頼むか?

①の場合は英検1級の人を、②の場合は20年海外で仕事をしている人に頼みたい人が
多いのではないかと思います。

これを眼鏡作製技能士に置き換えると、
①ではバイトの方や無資格の方よりも、眼鏡作製技能士の方が良いと思うし、
どうせなら、2級よりも1級にお願いしたいとなると思います。

②では眼鏡作製技能士を資格取得して、その後学びを止めてしまっている人よりも、
長年、眼鏡店で技術や知識を磨いている人の方が良いと思います。
また、眼鏡作製技能士の中でも、リカレント教育というものを継続して受けている人は、
プライム会員となります。

リカレント教育だけやっていれば良いというものではないものの、
少なくとも、リカレント教育を受けていない人よりは、
継続して学びを続けている人の目安になります。

なので、信頼できる眼鏡店の方がいれば資格の有無は関係なく、その方で良いと思います。
そういう眼鏡店がなければ、お近くの1級眼鏡作製技能士を探した方が
無難ではないかなと。

眼鏡作製技能士を名指しすれば対応してもらえる?

大々的に『眼鏡作製技能士在籍』と銘打っているところは、対応してもらえると思います。
それが売りになっているはずなので。

また、個人の専門店では、『認定眼鏡士』の時から有資格者が対応している店も多く、
言わなくても、眼鏡作製技能士が対応する場合が多いかと。

ただ、各店によって、それぞれ違うと思うので、
どうしても眼鏡作製技能士に対応してもらいたいという方は、
一度、店舗の方に問い合わせてみた方が良いと思います。

まとめ

『眼鏡作製技能士でないといけない』と固執するのは、良くないと思います。

資格がなくても長年眼鏡店をされている個人店も多く、
信頼している眼鏡店があるならば、その方が資格があるなしに関わらず、
そこが良いと思います。

ただ、眼鏡作製技能士というのは、その人の技量が最低でもその水準に達していること、
一般のお客様からわかりやすくするための資格です。

どこの眼鏡店が良いかわからないという方は、
お近くの1級眼鏡作製技能士を探して行くことも一つの手と思います。

次は、『2025年春の新作展示会を終えて』について

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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