買ったメガネの度数が合わないことがある?
『最近、メガネが合わなくなってきたから作り直したい』
と来店されるお客様は多くいます。
その中で、近視が軽くなっており、裸眼視力が上がっている方もおられます。
大抵の場合、特に気にはならないけど、中には眼科へ行ってほしいと思う人もいます。
眼鏡店では『診断』ができないため、白内障を含め、その病名を話しては駄目なので、
『視力があがった=眼が良くなった』と思われている方を、
眼科へ誘導するのには苦労があります。
白内障で視力があがる?
白内障は中心から発生する場合や、周辺から発生する場合など、
様々あります。
眼の細胞には中心部に錐体細胞、周辺部に桿体細胞があり、
文字などを読む場合は、錐体細胞を使います。
桿体細胞では文字などを読むことはできません。
試しに、本などを横目で読むことができるかを確認してもらったら、
周辺視野で文字を読むことが不可能とわかると思います。
白内障が中心から発生する場合は、錐体細胞から使いにくくなるため、
かなり不便になり、何も言わなくても眼科へ行くと思います。
稀に、白内障で見えないからメガネで何とかしようと考える人がいますけど。
白内障が周辺部から発生する場合、桿体細胞から使いにくくなるため、
不便に思わない方がおられます。
そして、視力が上がる方も。
これはピンホール現象と言われるもので、視力は上がったかもしれないけど、
特に眼が良くなったわけではないです。
ピンホール現象?
ピンホール現象は、テレホンカードやクオカードなどの穴から、
物を見たときに、ピントが合い、視力が上がる現象です。
普通に紙にボールペンなどで穴をあけても同じ現象が起きます。
これは、光が穴を通ることで、絞りの効果となり、
『ボケ』が減るためにピントが合います。
周辺部から発生する白内障でも同様の現象が起きるため、
白内障で視力が上がるということです。
眼鏡店が眼科を勧めにくいのは?
白内障などで視力があがった場合、眼科を勧めても聞いてくれない理由は、
①視力があがった=眼が良くなったと思い込まれてしまう
②医師ではないため、白内障や近視などを『診断』することができず、
可能性があることも言えない
③可能性のある病名を言わずに、眼科へ誘導し、眼科で見つけてもらうしかない
視力測定や見てすぐにわかる状態でも、『白内障の可能性があるので』とも言っては駄目です。
医師以外の医療従事者が外で、知識としての病気の説明はしても、
『あなたは風邪です』『この症状は風邪の可能性があるから』とすら言わないのと同じです。
自分たちも、白内障がどういうものか、脳腫瘍で視野欠損など、
病気に関してはある程度の勉強はしてますが、それを当人に言うことはないです。
ご本人は視力が上がったと喜んで、聞き入れてもらえない。
こういった理由から、眼鏡店では眼科へ誘導するために一苦労します。
また、『視力が良くなってるなら、白内障はほっておいても?』という方がいます。
白内障は手術以外では、薬で進行を止めるしかできません。
少しずつ進行する可能性があるため、できるだけ早く診断してもらい、対処した方が良いです。
もちろん、手術するから良いと考えている方もおられるので、
あくまでも、ご本人の判断にはなります。
ただ、手術できない事例もあるので、早めの眼科受診が無難とは個人的には思います。
まとめ
・周辺部から白内障が発生する場合、視力が上がることがある
・『視力が上がった=眼が良くなった』ではない
・眼鏡店では診断できないし、可能性がある病名も口にしない
・眼鏡店、特に眼鏡作製技能士は、問題がある可能性がある場合、眼科を勧める
眼鏡店が眼科を勧める場合、何かしら気になる事があるからになります。
その気になる事は大小様々なので、何もないこともあれば、
結構重篤な場合もあります。
眼科へ行って、何もなければ御の字。
何か見つかれば早期に見つかって運が良いということで、
眼科への受診を聞きいれてもらいたいと思います。
次回は、『子どものビジョントレーニングに使える玩具』について