年齢とともに失う調節力?
眼鏡店では利目検査をすることがあります。
この利目検査を行うと、『これって何ですか?』と聞かれることもあり、
あまりやっていない眼鏡店もあるのかなと。
利目検査とは?
手の右利き・左利き・両利きと同じで、目にも『利目』があります。
この利目検査は、機械や器具を使う必要もなく、
簡単に検査できて、1分かかりません。
また、必須な検査かと言われれば、そうでもないので、やらないこともあります。
自覚検査と他覚検査といって良いかはわからないですけど、
眼鏡店では他覚検査をします。
自分の利目が知りたい方は、眼鏡店に聞いても良いし、
自覚検査なら手法はいくつかあり、ネットでも調べ方がわかると思います。
利目がある理由
人には眼が2つありますが、当然、眼の位置は左右でずれています。
左右でズレているということは、見える映像が違い、『視差』といいます。
左右で見える映像が違うのに、日常的には一つの映像として認識していると思います。
これは『融像』といって、異なる映像を頭の中で一つにしています。
また、眼に入ってきた情報を、そのまま利用しているのであれば、
眼球の構造上、上下左右反転した映像しか見れない。
2つの映像と、上下反転された映像を一つの正転した映像にする働きは脳が行ってます。
つまり、人の眼はあくまで情報を取るための器官であって、
本来の映像は脳で見ていることになると思います。
そして、普段見えている『融像』した映像と、
片目ずつ瞑った映像を比較してみると、どちらか片方が同じ映像となっています。
稀に左右変わらない両利きの人もいますが、これが利目になります。
利目があることで『視差』がでる。
『視差』があっても、『融像』で一つの映像に見える。
そして、『視差』によって、映像が立体的に見える。
つまり、利目は立体視するため、主として使っている目と思ってもらったら良いかなと。
ちなみに、『視差』を利用した最新機器といえば、VRゴーグルですけど、
これは少しズラした2つの映像を使う事で、立体視や没入感を出してます。
映像自体は至近距離で見せてるので、どうかとは思います。
長時間使う人は、UV・ブルーライトカットを最大源に入れて、
度数を調整したレンズをいれれば、まだマシかなとは。
3D酔いで長時間使うのは難しいけど、自分はそうやって試しました。
利目検査を行う理由
利目は立体視するために必要ではあるものの、
その検査をする理由は何かというと、
『より違和感なく見えやすくするための検査』と思ってもらうと良いです。
利目を知ることで、左右の見え方のバランスを取ることで、
より快適に見えたり、稀に両眼視力が上がる人がいます。
過去の事例としては、完全矯正値で、
右視力0.6、左視力0.8、両眼視力0.8の人がいました。
度数差もあり、どうしても違和感があるということで、
利目検査を行ったところ、左利きということがわかりました。
右目の視力を落とすことを了承してもらい、
度数を調整して、右視力0.4、左視力0.8で合わせました。
結果として、両眼視で1.0見えるようになり、違和感も抑えることができました。
ただ、このバランスを取ることが難しいので、
必ずしも有効というわけではく、度数差があっても、片目に抑制がかかっている人もいます。
過補正にならないよう、お客様の体感を確認しながら、今後の使用でどうなるかを考えながら、
測定者が判断するしかないかと思います。
まとめ
・利目検査は必ず必要ではない
・バランスを取る必要があるなどの場合、利目の情報はあると助かることがある
・利目は自分でも確認できるし、他人でも確認する方法がある
完全矯正値が必ずしも正しいわけではなく、
最適な見え方にするためには、様々な情報が必要。
利目検査もその情報の一つでしかないので、
利目検査をしないからといって、手を抜いているわけではないです。
次回は、『日本特有の視力1.2?どのくらいの視力が良い?』について