HOYAのindividual MEISTER SHOP認定
以前、購入していただいたお客様からの相談で、
前に作ったメガネの度数を教えてほしいと言われることがあります。
眼鏡店の視力検査は、あくまでも『メガネ作製のための視力検査』であって、
『健康診断』などではないです。
説明のために度数を言うことはあっても、
紙に書いて渡したり、後日、電話などで教えることはないと思います。
一部例外はあると思いますけど。
ただ、その作製したメガネとレンズメーターがあれば度数がわかるので、
眼鏡店に持って行けば、一部の例外を除き、
他店でも同じ度数のものは作れるはずです。
なぜ、度数を知りたいのか?
度数を聞いてくるお客様の多くは、他店で同じ度数のメガネがほしい時に、
連絡があります。
正直、何もなければ、別に教えてもかまわないのですが、
問題は『度数を教える』⇒処方箋⇒診断⇒医師法違反
となる可能性を危惧してます。
本来は、『近視』『遠視』でさえ言っては駄目ということを考えると、
度数を教えるということ自体が、考え方によってはアウトな気がします。
眼鏡店の視力検査はあくまでも、自社でのメガネ作製のための測定になります。
ただ、そうすると、不親切すぎるので、
『前に作られたメガネを、その眼鏡店に渡してください』などは、アドバイスします。
他の眼鏡店で度数がわからなかった?
遠近レンズであろうとも、ほとんどのレンズはレンズメーターで度数はわかります。
individualなど、ハイエンドクラスのレンズでは、実測の度数が若干違うので、
例外になると思いますが、それでも、大体の度数はわかるはずです。
後は、隠しマークが削れてしまっている場合なども。
レンズの隠しマークからレンズの種類や加入度などを判別
⇒マークに従ってシールを貼る⇒シールの遠用ポイントから度数確認
⇒加入度がわからない場合、近用ポイントから度数確認
メーカーや種類によって若干ズレはしますが、レンズの図鑑もあるし、
こういった手順で遠近レンズでも度数がわかります。
もちろん、隠しマークやシールがなくても、
大体の設計や度数を確認することはできます。
後は、その眼鏡店の腕次第ではないかと。
前の眼鏡店に度数を聞いてほしい?
『前に作ったメガネを渡して、他の眼鏡店で作ってもらったメガネに違和感がある』
『その眼鏡店から、遠近なので度数がわからない。
だから前の眼鏡店に度数を聞いてほしいと言われた』
という相談が稀にあります。
KB(使用中のメガネの度数)で新しくメガネを作った場合、
それが合わないなら、自社で測定し直すことが筋です。
それが難しい場合は、眼科で処方箋をもらうよう勧めるべきと思います。
理由として、
①使用中のメガネ、最低限の知識と技術があれば、大体の度数がわかる
②多少ずれていても、測定し直せば、問題がないメガネができる
③それでも難しい場合、眼に異常がある可能性を考える
ということです。
そもそも、使用中のメガネを参考にメガネ作製したのであれば、
一度はレンズメーターで確認したので、
遠近レンズということには気づいているはずだし、
後出しで『遠近レンズだからわからない』ということはないです。
お客様からの指示の場合、指定度数で、そのまま作製することはありますけど、
遠近レンズなら、作製する前にテストレンズと仮枠を使って簡単には確認するし、
それで問題があるなら測定し直すはずです。
また、問題の原因が度数ではなく、加工ミスの場合も多々あります。
遠近レンズは中心がズレると、特にユレ・歪み・違和感・気持ち悪さなど、
様々な問題が発生します。
度数違いや加工ミスでない場合、眼鏡店ではわからない問題があることもあるため、
眼科へ行くべきだと思います。
『前に作った眼鏡店に度数だけ聞いてもらう』という行為は、
お客様にとっては聞きづらいため、かなりの負担になると思います。
なので、一部の例外を除き、眼鏡店がお客様に
そういうことを言うことには、違和感を感じます。
まとめ
・他店で購入したメガネを参考にメガネを作ることは可能
・遠近レンズでも最低限の知識と技術とレンズメーターがあれば度数測定は可能
・一部の例外を除き、度数を教えない店が多い
・作製したメガネが合わないのであれば、度数を測定しなおすべき
・再作製しても駄目な場合、前の眼鏡店に聞くのではなく、眼科へ行く方が良い場合も
次回は、『利目検査は必要?』について