レンズは何種類で、何が一番良い? 知っておくべきレンズの知識
レンズを薄くしたい場合、高屈折レンズを用いると良いです。
でも、高屈折率レンズでは、比重の関係で、あまり軽くなるとは言えない場合があります。
ただ、レンズの特殊加工として、ヘルプ(スライス)加工というものがあり、
この加工であれば、大抵の場合、同屈折率のレンズと比較して、薄く軽くできます。
ヘルプ(スライス)加工とは?
単純に、レンズ素材と度数を変えることなく、
プラスレンズを薄くする加工と思ってもらえば、わかりやすいと思います。
ヘルプ加工、スライス加工、メッツ加工と、言い方は様々です。
もしかしたら、各メーカーごとでやり方とかは違うのかもしれないですが、
おそらく、やっていることは全部同じと思います。
HOYAではヘルプ加工、東海光学ではスライス加工と言います。
メッツ加工が一般的な言い方ではないかなと。
なので、以降はメッツ加工で統一しておきます。
ちなみに、マイナスレンズの場合、マイナスメッツ加工があります。
メッツ加工の仕組み
メッツ加工は遠視などのプラスレンズで使用されます。
プラスレンズは中心が一番厚く、中心から離れる程、薄くなる、
いわゆる凸レンズです。
レンズに光を通した場合、光がレンズに入る時と、レンズを出ていくときに屈折します。
レンズの中を通る時は、基本的に屈折しません。
そのため、表面と裏面の曲率半径が同じなら、中心厚が変わっても、
度数は変わらないことになります。
つまり、メッツ加工とは凸レンズの中心をカットする加工と思ってもらったら、
わかりやすいかと思います。
遠視の人は高屈折率のレンズとメッツ加工のどっちがおすすめ?
個人的な意見としては、メッツ加工の方がおすすめです。
理由は2つあり、1.74などの高屈折率は色収差がでて気になる方もおられること、
メッツ加工の方が軽くなることです。
もちろん、強度遠視の方は1.74の高屈折率にメッツ加工をすれば、
かなり薄くすることもできます。
マイナスメッツ加工もメッツ加工と同じ?
マイナスメッツ加工は、メッツ加工と異なり、レンズの周囲を削ります。
理由は、マイナスレンズの場合、中心が一番薄く、中心から離れる程厚くなります。
そのため、メッツ加工のように、中心に薄くする部分がないことになります。
なので、レンズの周囲を削ることになります。
これをわかりやすく言うと、レンズの角を強く面取りするということになります。
ちなみに、通常の場合でも、レンズの角は面取りをします。
マイナスメッツ加工の欠点はなにかというと、削った分だけ、
自分からでも他人からでも、白い線が見えることになります。
そのため、強度近視の方は、マイナスメッツ加工ではなく、
高屈折率のレンズを選ぶ方が多いと思います。
眼鏡店も、マイナスメッツ加工を軽く紹介しても、
強く勧める人は少ないかなと。
マイナスメッツ加工を勧めて、イメージと違うと言われると困りますし。
まとめ
・メッツ加工はレンズを薄くする加工
・遠視の場合、高屈折率のレンズよりもメッツ加工の方が個人的にはおすすめ
・近視の場合、マイナスメッツ加工よりも、高屈折率のレンズが個人的にはおすすめ
・ただし、高屈折率の場合、色収差などが気になる方もおられる
次回は、『縁なしメガネ(ツーポイントフレーム)は、なぜ高い?』について