眼鏡店ではあまり病院を指定しない?
今回、自分のメガネを新調しました。
ただ、新調するだけだともったいないので、諸条件を同じにして、設計グレードなど、
レンズそのものに関わるところを変更。
そうすることで、設計グレードの違いによって、見え方(視界)がどう変わるのかを体感し、
お客様に実体験を説明することができるかなと。
ちなみに、フレームのブランドは『杉本圭(KS-135)』から
『テイラーウィズリスペクト(ニブルス)』へ。
前回と今回のメガネの違い
設計グレードの違いを体感するため、度数やPDは同じにしてます。
使用レンズと変更点(前回⇒今回)
レンズメーカー:HOYA
屈折率:1.67⇒1.74
設計グレード:紬⇒雅N
コーティング:BUコート+CC420⇒メイリョウコート
パーソナルフィットのパラメータ:各フレームで合わせる
屈折率は1.67から1.74にすることで、さらに薄形へ。
前回、1.67を使用した理由は、1.74ではブルーライトカットのCC420を追加できなかったため。
コーティングはBUコート+CC420から、メイリョウコートに変更。
メイリョウコートは2023年11月頃、新発売されたHOYAのコーティング。
BUコートと同等のGUコートの機能に『低反射』『抗菌』などが付与されてます。
ただ、BUコートやCC420のブルーライトカット機能を外れてます。
パーソナルフィットは前回とフレームが違うので、同じ数値で作製すると、
その設計自体の意味がなくなるため、当たり前のことですが再測定してます。
レンズ素材の変化
レンズを屈折率1.67から1.74に変えることで、より薄くなりました。
屈折率は大きくなる程、光を曲げる力が強くなるため、同じ度数であれば薄くなります。
また、屈折率1.6でも薄型レンズとなります。
1.67から1.74へ変えることのデメリットとしては、アッベ数になると思います。
アッベ数は5収差のうち、色収差に影響し、アッベ数は高い方が色の滲みが少なくなります。
色収差については、個人としては気にならなかったです。
感覚の鋭い方は、慣れない方もおられるかもなので、
どうしても気になる方は1.67で押さえても良いかもしれないです。
もちろん、屈折率1.74といっても、メーカーやレンズ、
基材としての仕様によって、様々な素材が使われてるため、
同じ屈折率でも、素材としても価格、アッベ数も変わります。
ちなみに、薄型レンズと言われるレンズは、屈折率1.6以上となり、
屈折率1.5のレンズが標準です。
ただ、最近では、屈折率1.6のレンズは標準みたいになってます。
コーティングの変化
前回は、標準でブルーライトカットが入っているBUコートに、CC420を追加してました。
自分自身は、ブルーライトカットが疲れに影響するという見解は懐疑的だったものの、
お守りと考えて付与してました。
今回、選んだメイリョウには標準のブルーライトカットが入っていないため、
CC420またはレイガードを入れるかを悩みました。
結果、メイリョウの特徴である『低反射』を最大限に体感することを考え、
ブルーライトカット機能を外しました。
メイリョウの『低反射』は言葉の通り、反射を少なくすることで、
『フレア』『ゴースト』といった現象を抑える機能になります。
『BUコート+CC420』『メイリョウ』を比較した結果、
体感として、『フレア』『ゴースト』は軽減され、
加えて、明るく感じられました。
設計の違い
設計は『紬』から『雅N』へ2段階、グレードを上げてます。
『紬』は『シンクロ』のindividualで、『雅N』は『オプティナ』や『ウェルナ』のindividual。
両面シンクロ累進設計と両面複合累進設計なので、ベースとなっている設計が違います。
体感として大きく感じたのは、下方両端の視界が広がっていること。
最初は慣れていないこともあり、違和感があり、なにかがおかしいと思ってました。
掛け替えて比べてみると、どうも下方両端の視力が良くなっており、
それを違和感として感じてたみたいです。
慣れてしまえば快適なのかなという体感です。
慣れについて
メガネを変えることは、多少なりとも、慣れが必要となります。
自分の場合、ずっとかけ続けて4日程度、長くて1週間くらいかかることもあります。
前回のメガネも両方使うつもりなので、交互に使いながら、慣らしてます。
度数か、感覚か、後頭葉の差かはわからないですが、
数分もかからずに慣れる人はうらやましいと思う。
今回、『紬』から『雅N』へ変えることで、視界が広く感じられた物の、
『紬』も設計としてはかなり上のレンズになります。
そもそも、メガネユーザーの割合的に、individualを使用している人がほとんどいないし、
HOYAのレンズに限っても、『紬』よりも設計グレードが落ちる
『オプティナ』『ウェルナ』『シンクロ』でさえ、
かなり少ないのが現状となってます。
『シンクロ』以上はハイグレードクラスなので、当然と言えば当然でしょうけど。
まとめ
『1.67紬BUコートCC420』から、『1.74雅Nメイリョウコート』へ新調した結果、
・色収差は特に気にならない感じ
・明るさや反射については、より軽減された感じ
・視界は特に下方が広がった感じ
・ただ、まだ慣らし中
自分自身が体感したところ、このような感じでしたが、個人差はかなりあると思います。
individualレンズに限らず、累進レンズは作製者によって使い物にならないこともあります。
累進レンズは正確に作るのが普通です。
正確に作られていない高価な累進メガネと、正確に作られた安価な累進メガネなら、
安価な累進メガネの方が良いです。
もし、このクラスのレンズを試したいという方がおられれば、
individualレンズのメガネをきちんと作ってくれる近くの専門店を探したら良いと思います。
次回は、『高屈折率の方が、レンズが薄くて軽い?』について