Mybestpro Members

豊福祐史プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

フレームとレンズ、どちらに費用をかけるべき?

豊福祐史

豊福祐史

テーマ:葛藤のある眼鏡店の話

レンズは見た目ではわかりにくく、最近では、セットレンズが増えてきたため、
レンズに設計やコーティングなど、
グレードに違いがあることを知らない方も多くなりました。

反面、フレームに関しては、見た目や作りからでもわかりやすい。
ライセンスブランドより、ハウスブランドの品質が高い場合が多く、
好きな方はブランドサイトから取扱店を探し、遠方からでも来店される方もおられます。

そのため、フレームに重点を置く方が多いのではないかと思います。

一つの考え方として

フレームでも、レンズでも、価格でも、どれを重視するかは人それぞれと思います。

自分自身の個人的な意見を言うと、フレームは骨格、レンズは筋肉のようなものと考えてます。
なので、最低ラインの品質は超えてほしいとは思います。
もちろん、1日の3分の2は使用するメガネなので、
どちらも重視できれば良いですが、予算という壁があるのも事実かなと。

フレームの品質が低すぎる場合

フレームの品質が低すぎる場合、一番困るのがフィッティング。
フレームを見る際、重視するのは素材と作り。
今回は、デザインなどは無視します。

素材は、アセテートやセルロイド、チタン、βチタンなどがあります。

同じ素材でも、射出成型・削り出し・寝かせる・湯せん加工など、
製造方法でも質は変化しますが、それらをフィッティングするのは、
大抵の場合、問題ないと思います。

ウルテムやTR-90など、新素材といわれるものもあり、
それらは射出成型しやすく、大量生産に向いているため、
安価である反面、基本的にフィッティングできないため、
困ることは多くあります。

フィッティングできないということは、メガネとしての価値は低くなり、
結果として、眼に負担がかかるのはやむを得ないと思います。

また、ハイエンドクラスになると、様々なコンセプトのもと、
掛けやすかったり、丈夫だったり、しなやかだったりと、
作りだけ見ても、それぞれの特徴があります。

そのため、できれば、最低ラインの素材や品質のフレームは選んでほしいと思います。

レンズの設計グレードが低すぎる場合

レンズの品質、今回は設計グレードに限って話をすると、
これも最低ラインのレンズは使ってほしいと思います。

レンズの場合は、測定や加工の方が特に重要なので、
使用目的に度数やPD、アイポイントなどが、
合っていない高価なレンズを使うくらいなら、
合っている安価なレンズを使う方が良いです。

なので、前提条件として、測定や加工もきちんと行われているとした場合として書きます。

レンズの場合、見た目では設計グレードとか、わからないことがほとんどと思います。
ただ、眼鏡店は、大半の累進レンズと一部の単焦点レンズに刻印されている
隠しマークで判別しています。

この隠しマークも、レンズの玉形やPDによって、削り取られてしまっていることも多く、
隠しマーク集にも載っていない隠しマークもあり、100%判別できるわけではないです。
取り扱っていないレンズは特にわかりにくい。

設計グレードは主にユレ・歪みの補正に影響します。
わかりやすく言うと、『見やすさ』『疲れにくさ』『気持ち悪さ』など

『歪みの少ない非球面レンズ』と耳にすることがあるものの、
今の時代では、99%非球面レンズではないかなと。

安価な非球面レンズより、球面レンズの方が価格が上がり、
ユレ・歪みも大きいため、特別な理由がない限りは使用しないと思います。

安価なレンズを選んだため、累進レンズ(遠近)は
使い物にならないと思い込んでいる方も多くいます。
高価なレンズだから良いというわけではないものの、
設計グレードが上がるほど、大量仕入れや在庫は難しいため、
なぜ安いのか、高いのかは眼鏡店で聞いてみても良いと思います。

レンズは設計だけではないものの、
セット販売でも、別売りでも、『どこのメーカー』『どのグレード』など、
一度聞いておくのも良いと思います。

まとめ

・フレームは骨、レンズは筋肉と考えるとイメージしやすいと思います
・フレームもレンズも最低ラインのものを使用した方が良い
・グレードが高いもの、良いものを選んだ方が良いとは思う反面、
 無駄に高いものを選ぶ必要もなく、 予算と目的にあったものを選定すべきと思います。

次回は、『レンズを別のフレームに入れ替えることをお勧めしない理由』

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

豊福祐史プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

一人一人に寄り添う眼鏡選びのプロ

豊福祐史プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼