レンズカラーの種類
遠近レンズと単焦点レンズの主な違いは、その設計にあります。
大きくは老眼の度数である加入度(D)があるかどうか。
ただ、アシストレンズなど、単焦点レンズに分類されていても、
加入度が入っているものもあります。
単焦点レンズ
単焦点レンズは遠く、または近くを見るためのレンズ。
見たい距離を見るためのレンズです。
見たい距離よりも、近い距離に関しては、自身の調節力により、
焦点を合わせることができます。
遠近レンズ
遠近レンズは、見たい距離の幅を広げるレンズです。
年齢が高くなると、調節力が低下します。
いわゆる老眼です。
そのため、単焦点レンズで遠くに合わせると、近くは見えない。
逆に、近くに合わせると、遠くが見えない。
それを補うために、遠くから近くまでの見える範囲を広げたものが
遠近レンズになります。
ただ、加入度を入れたことにより、レンズのユレ・歪みは大きくなるため、
『遠近レンズだと気持ち悪い』『疲れやすい』『違和感が強い』
という理由で苦手と感じる人もいます。
『フィッティングがされていない』『レンズの中心がズレている』
『乱視などが強い』『PDが合っていない』『眼に対してレンズグレードが低い』
などが理由の大半で、本当に遠近レンズが使えない方は意外に少ないです。
遠近レンズと単焦点レンズの比較
遠近レンズを単焦点レンズとを、その影響度で単純に比較すると、
ユレ・歪み :遠近(大)>単焦点(小)
意図しないプリズム:遠近(大)>単焦点(小)
収差(特に非点) :遠近(大)>単焦点(小)
回旋 :遠近(大)>単焦点(小)
慣れ :遠近(大)>単焦点(小)
使い方 :遠近(大)>単焦点(小)
フィッティング :遠近(大)>単焦点(小)
という感じになります。
遠近レンズを使うためには
上下に度数を変化させているため、『ユレ・歪み』は大きく発生します。
眼鏡店の技術と知識と説明、お客様の理解と慣れが必要となります。
まずは、加工とフィッティングが絶対的に重要です。
例えば、『ミラー法などをきちんとしていない』『レンズの中心がズレている(特に上下)』
『フィッティングが不十分』などの場合、眼鏡店の問題です。
また、ユレ・歪み、意図しないプリズム、収差に関しては、
レンズ設計上どうしてもありますが、
そのために、様々な種類のグレードやタイプなどが用意されています。
なので、眼鏡店からはきちんと説明を受け、前回のグレードや種類、使用方法、
今までの見え方はどうだったのかなどを話して、
決めていく必要があります。
お客様側の問題である場合
遠近レンズは単焦点レンズと比較して、お客様にも求められる事項はあります。
それは、『使い方の理解』『回旋』『慣れ』です
使い方を理解せずに近くが見えないと言われる方は結構多いです。
あくまで、眼球の『回旋』を行うことで、遠くも近くも見えるレンズであるため、
レンズのどの位置がどの距離を見るものなのかを理解してもらえないと、
使いこなすことはできないです。
また、『慣れ』については単焦点レンズでも言えることですが、
遠近レンズは設計がさらに複雑になっています。
できるだけハイグレードのレンズを使った方が慣れやすいとは思いますが、
金額もそれ相応に上がってきます。
遠近レンズの価格帯としては、同じメーカーでも1組1万円以下~15万円以上とかなりの幅があります。
当然、1万円以下のレンズと、10万円以上のレンズが同等の設計であるはずもないです。
ただ、無駄に高価なレンズである必要もないため、まずは『初めての遠近かどうか』
『使用した経験があるなら、その時のグレードは?』などをきちんと打合せしてもらえたら、
推測して価格と設計のバランスを考えて出してくれるはずです。
初めてなら、2万円前後のレンズを選んで、
次回作るときに、グレードを落とすか、上げるかを検討した方が無難かなと。
『前に使ってたレンズのグレードとかわからない』という人は、
そのメガネをもっていってください。
遠近レンズは隠しマークがあるため、わかる場合があります。
もちろん、無印、マークが削れている、見えにくい、設計のハンドブックに記載がないなどで、
わからないこともありますけど。
まとめ
・遠近レンズと単焦点レンズはそもそも違う
・遠近レンズが使えない理由として、眼鏡店に問題がある場合と、お客様に問題がある場合がある
・眼鏡店は技術と知識と説明、フィッティングなどのアフターフォローの責任がある
・お客様は遠近レンズの使い方を理解し、ある程度は慣れてもらう必要がある
次は、『高価なレンズと、安価なレンズの見分け方はある?』について