近視の人に適正度数以上の度数を入れると視力は上がる?
『私、乱視が強いので、メガネは作れないと言われました』という話を聞きます。
その話を聞くと、『不正乱視とか、何かしらの疾患があって、視力がでないんだろうな』
と思ってしまいます。
ただ、その中には、『メガネがダメだから、コンタクトレンズなんですよね』
って言われると、『?』となります。
理由を聞くと、眼鏡店で作れないと言われたことが多いみたいです。
眼科医に診断されて、何かしらの疾患があって、メガネがダメだと言われたのならまだしも、
なんで眼鏡店がメガネがダメだと決められるのかなと。
『一度、眼科に受診されてみては?』と勧めるのが普通だと思います
たまに、眼科医で乱視が強すぎてメガネは作れないだろうと言われる方もおられますが、
意外に作れる方もおられます。
もちろん、眼科医が難しいと言っている以上は、本当に難しい場合が多いものの、
設計の良いレンズはかなり出てきているので、駄目元で相談してみてはどうかなと。
乱視とは?
乱視というと、大抵の人が『ぼやけて見えること』といいます。
間違いではないけど、正解というわけではないです。
乱視は、正乱視と不正乱視の2種類あり、通常は正乱視のことを乱視と呼ぶことが多いです。
というのが、不正乱視はメガネやソフトコンタクトでは補正できないからです。
不正乱視の方は、眼科医の指導の下、メガネは使っても補助で、
ハードコンタクトなどの処方をしてもらった方が良いかなと。
正乱視を理解するのには、透明度の高い水風船をイメージしてもらえたら。
水風船が丸い場合、向こう側の景色はきれいに見えるとします。
それを上から抑えて楕円形になると、景色が歪むイメージになるかなと思います。
※実際にそうなるかは試しないので、わからないです。
つまり、正乱視は楕円形に歪んで見えることになります。
なので、度数(C)と軸度(AX)で表します。
乱視の度数が強いとメガネが作れない理由
作れない理由を推測してみると、
①レンズの製作度数範囲外
⇒近視も強く、乱視も強い場合、メーカーでレンズそのものが作れないことがあります。
②レンズの設計が悪い
⇒レンズには様々な設計があり、人によって、レンズを選べる幅があります。
安価なレンズでも、高額なレンズでも、どちらでも良い人にとっては、
『見やすい』『疲れにくい』くらいの差ですが、
人によっては、高額なレンズを選ばざるを得ないことがあります。
もちろん、緻密に作らないといけないので、
レンズ設計が良ければ良いという話でもないです。
③乱視が強すぎて、歪みがひどい
⇒乱視が強すぎる場合、レンズ設計が良くても難しい場合があります。
特に遠近レンズは、目線を動かすと気持ち悪くなるなどの問題もあり、
こういった意味ではメガネを作るのがむずかしいということになります。
乱視が強すぎると、絶対にメガネはつくれない?
今のところ、乱視の度数が強すぎるというだけで、
メガネが作れないという方には数人くらいしか会ったことがないです。
もちろん、絶対に作れないわけではなく、ある程度、楽に見えるメガネは作ります。
眼鏡作製技能士は、可能な限り多くの人に対応するため、様々な勉強をします。
『眼』『光学』『屈折学』『レンズ工学』『材料学』から、『医学』の一部まで。
『医学』に関しては、眼科医までの知識はないにしても、メガネに関わることについては、
幅広く学んで、経験しているため、眼科医とは別目線として、
一度は、相談してみても良いかなと思います。
まとめ
・通常、乱視といえば、正乱視のこと
・不正乱視はメガネやソフトコンタクトでは難しいため、眼科医へ
・乱視だから絶対にメガネが作れないということはない場合もあるため、
一度、ダメ元で眼鏡作製技能士へ相談してみたら良いかなと
次は、『遠近レンズには見たい距離で種類がある?』について