両面非球面レンズなら、眼が小さく(大きく)ならない?
高価なレンズと安価なレンズの違いは、大きくは素材・設計・コートにあります。
『眼は大事だから』という人の多くは、レンズのことをあまり知らず、
『どれも同じです』という眼鏡店があれば、それを信じるしかないのかなと。
逆に、レンズに詳しい眼鏡店ならば、違いを説明してくれると思います。
今回はHOYAのインディヴィジュアルの説明を踏まえて。
設計はどれも同じ?
レンズ設計はそれぞれ違います。
同じメーカーでも数十種類あり、常に進化し続けているので、
同じように見えてもかなり違ってきます。
これはどの業界でも同じで、
例えば、同じパソコンでも20年前のものと最新版では性能が違うし、
自動車も同じ。
自動車は20年前はハイブリッドがでたばかりで、
今のハイブリッドとはおそらく大きく違うと思います。
当然、メガネのレンズも同じです。
特に、レンズの場合、最近ではかなり良くなっており、
インディヴィジュアルと呼ばれるオーダーメードレンズまで出てきてます。
設計が違うと何が違う?
設計が違うと何が違うかと言えば、
『ユレ・歪み』『見えやすさ』『疲れにくさ』などがあります。
特に度数が強い人、乱視が強い人は『ユレ・歪み』が強くなるし、
設計が良い方が良いと思います。
年配の方も同様に。
逆に言えば、若くて度数が弱く、乱視も弱いなら、多少安価なレンズでも問題はない場合も。
もちろん、測定してみないとわからないですけど。
インディヴィジュアルとは?
インディビジュアルとは、その人の顔とメガネフレームに合わせてレンズを製作します。
そのため、『ユレ・歪み』に関してはかなり改善され、見えやすい範囲が広がります。
上下左右に度数が変化している累進レンズでは特に有効なレンズです。
その反面、眼鏡製作者はかなり技術・知識が必要で、
それがないなら、眼鏡作製技能士であっても、
手を出さない方が無難なレンズとなります。
インディビジュアルレンズで適当に作るくらいなら、
安価なレンズできちんと作った方が絶対に良いです。
インディヴィジュアルに関してだけは、
1級眼鏡作製技能士が作られた方が良いと個人的には思います。
適当に作ると、おそらく気持ち悪くなったり、使えなかったりで、
『設計の良いレンズでも、累進レンズは合わない』と
思いこまれる結果になります。
インディヴィジュアルレンズの作り方(測定方法)
インディヴィジュアルレンズは、かなり緻密な設計が入っているため、
製造段階だけでなく、加工までも工場で作ってもらいます。
そのため、眼鏡店ではとにかく正確に測定することが求められます。
累進レンズなら最低限行うミラー法以外に、
スケーラーによる目視と、LLiやアイメックなどの専用機器を用いて、
頂点間距離・そり角・傾斜角を測定します。
インディヴィジュアルの特徴は頂点間距離・そり角・傾斜角だけ?
『インディヴィジュアルレンズは他のレンズと何が違うんですか?』と尋ねると、
『頂点間距離・そり角・傾斜角を測定するオーダーメイド』
と答えます。
ただ、それはインディヴィジュアルレンズの設計の一つ、
『パーソナルフィット』の説明であり、オーダーメイドという点では、
これでも十分かなと思います。
もちろん、大抵のお客様はそれで納得してくれますし、
詳しく説明することも、必要性もないかなと。
そうすると、『それならHOYAの極・雅・望・紬の違いは?』という問いがあることも。
HOYAのインディヴィジュアルには『極』『雅』『望』『紬』があります(2023年3月時点)。
この違いを答えられないなら、『極』は提案できないかなと思います。
インディヴィジュアルレンズは説明すると長くなるので、
『極』『雅』『望』『紬』の違いについては次回に説明します。
まとめ
・インディヴィジュアルは、顔とフレームに合わせたオーダーメイドレンズ
・工場で緻密に製造するため、眼鏡店の役割はとにかく正確に測定すること
・適当な測定でインディヴィジュアルを使うなら、安価なレンズを使った方が良いことも
・インディヴィジュアルを取り扱う眼鏡店は知識と技術が必要
・できれば1級眼鏡作製技能士に作ってもらう方が無難
・適当に作ったインディヴィジュアルよりも、安価なレンズできちんと作った方が良い
次は『HOYAの最高級累進レンズ(インディヴィジュアル)の極・雅・望・紬は何が違う?②』について