HOYAの最高級累進レンズ(インディヴィジュアル)の極・雅・望・紬は何が違う?①
老眼が進んでいくと、累進(遠近)レンズがかなり有効になります。
ただ、『私に累進レンズは合わない』という方も多くおられます。
その人たちに話を聞くと、
本当は累進レンズは使えるのに、合わないと思い込んでいる人と、
本当に使わない方が良い人がいます。
累進レンズを使わない方が良い人?
累進レンズを使わない方が良いかどうかは、
実際にテストレンズを使って確認した方が良いです。
今までの経験では、乱視が強い人、プリズムが強い人、
左右の度数差がある人、回旋ができない人などは合わないことが多くあります。
乱視・プリズムが強い人はなぜ合わないのか?
累進レンズが合わない理由として、ユレ・歪みの問題があります。
累進レンズは上下で度数変化させているため、
単焦点レンズに比べ、ユレ・歪みが大きくなります。
そのため、各メーカーはユレ・歪みを少なくするような、
様々な設計を取り入れてます。
それでも、同じ度数の単焦点レンズよりもユレ・歪みが大きいため、
かなりきつく感じたり、気分が悪くなったりします。
回旋できない人はなぜ合わないのか?
回旋は眼球を上下に動かすことです。
回旋できない人はそもそも累進レンズを使用できません。
というのは、累進レンズは上下に度数を変化させています。
眼球を上下に動かすことができなければ、
レンズの上部と下部を使い分けることができず、
当然、累進レンズを使えないということになります。
ビジョントレーニングなどにより、改善することはあります。
左右の度数差がある人は?
左右の度数差がある人は、当然、左右の累進レンズのユレ・歪みの範囲が大きく異なります。
この差を処理できずに、累進レンズが合わないことになります。
ある程度、度数差を調整してメガネを作製することで、
累進レンズが使えるようになる方もおられます。
累進レンズが合わないと思い込んでいる人?
累進レンズが合わないと思い込んでいる人にヒアリングしたり、
メガネを確認したすると、設計の甘い累進レンズしか使ったことがない、
レンズの中心がズレている、フィッティングされていない、
遠近・中近・近々などの目的に合っていないなど、色々とわかることがあります。
特に一番驚くのは、ミラー法などで検査されたことがないということ。
ミラー法は累進レンズを作る上で、必要な検査になります。
というのが、累進レンズは上下左右にズレると気分が悪くなります。
そのため、ミラー法と累進帯長に応じたシールを用いて、
PD(瞳孔間距離)の実測値を確認します。
オートレフラクトメーターや、ピューピロメーターにて、
PDが測定されますが、その数値が実測値として
大丈夫かを確認しないと、累進レンズは不具合が生じることがあります。
これがインディヴィジュアルレンズになると、LLiやアイメックにより、
そり角・傾斜角・頂点間距離の測定と、さらに検査が必要となります。
まとめ
・累進レンズは遠近・中近・近々など、目的に応じたものを選定する
・累進レンズを作製する際は、ミラー法で確認してもらう
・累進レンズが本当に合わない人は、単焦点レンズを使い分ける
次は『HOYAの最高級累進レンズ(インディヴィジュアル)の極・雅・望・紬は何が違う?』について