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コラム
累進レンズをお勧めしない人
2023年4月21日
老眼が進んでいくと、累進(遠近)レンズがかなり有効になります。
ただ、『私に累進レンズは合わない』という方も多くおられます。
その人たちに話を聞くと、
本当は累進レンズは使えるのに、合わないと思い込んでいる人と、
本当に使わない方が良い人がいます。
累進レンズを使わない方が良い人?
累進レンズを使わない方が良いかどうかは、
実際にテストレンズを使って確認した方が良いです。
今までの経験では、乱視が強い人、プリズムが強い人、
左右の度数差がある人、回旋ができない人などは合わないことが多くあります。
乱視・プリズムが強い人はなぜ合わないのか?
累進レンズが合わない理由として、ユレ・歪みの問題があります。
累進レンズは上下で度数変化させているため、
単焦点レンズに比べ、ユレ・歪みが大きくなります。
そのため、各メーカーはユレ・歪みを少なくするような、
様々な設計を取り入れてます。
それでも、同じ度数の単焦点レンズよりもユレ・歪みが大きいため、
かなりきつく感じたり、気分が悪くなったりします。
回旋できない人はなぜ合わないのか?
回旋は眼球を上下に動かすことです。
回旋できない人はそもそも累進レンズを使用できません。
というのは、累進レンズは上下に度数を変化させています。
眼球を上下に動かすことができなければ、
レンズの上部と下部を使い分けることができず、
当然、累進レンズを使えないということになります。
ビジョントレーニングなどにより、改善することはあります。
左右の度数差がある人は?
左右の度数差がある人は、当然、左右の累進レンズのユレ・歪みの範囲が大きく異なります。
この差を処理できずに、累進レンズが合わないことになります。
ある程度、度数差を調整してメガネを作製することで、
累進レンズが使えるようになる方もおられます。
累進レンズが合わないと思い込んでいる人?
累進レンズが合わないと思い込んでいる人にヒアリングしたり、
メガネを確認したすると、設計の甘い累進レンズしか使ったことがない、
レンズの中心がズレている、フィッティングされていない、
遠近・中近・近々などの目的に合っていないなど、色々とわかることがあります。
特に一番驚くのは、ミラー法などで検査されたことがないということ。
ミラー法は累進レンズを作る上で、必要な検査になります。
というのが、累進レンズは上下左右にズレると気分が悪くなります。
そのため、ミラー法と累進帯長に応じたシールを用いて、
PD(瞳孔間距離)の実測値を確認します。
オートレフラクトメーターや、ピューピロメーターにて、
PDが測定されますが、その数値が実測値として
大丈夫かを確認しないと、累進レンズは不具合が生じることがあります。
これがインディヴィジュアルレンズになると、LLiやアイメックにより、
そり角・傾斜角・頂点間距離の測定と、さらに検査が必要となります。
まとめ
・累進レンズは遠近・中近・近々など、目的に応じたものを選定する
・累進レンズを作製する際は、ミラー法で確認してもらう
・累進レンズが本当に合わない人は、単焦点レンズを使い分ける
次は『HOYAの最高級累進レンズ(インディヴィジュアル)の極・雅・望・紬は何が違う?』について
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