年齢とともに失う調節力?
視力測定の際に、『プリズム入れた方が楽かな?』と口に出してしまうと、
『プリズムって何ですか?』と聞かれます。
普通に考えて、近視・遠視・老眼(老視)などはわかっても、
『プリズム』は理科で習う三角プリズムくらいのイメージしか、
ないと思います。
プリズムとは?
プリズムは簡単に言うと、視線をずらしてあげるためのレンズです。
プリズム度数の単位はΔD(プリズムディオプター)で表します。
度数のD(ディオプター)とは異なります。
視線をずらすというと、『余計に見えにくくなるのでは?』と思う方は多いと思います。
通常、眼が楽な状態では、眼の向きがまっすぐになってます。
この眼の向きを眼位といいます。
正常な眼位の方にプリズムを入れた場合、余計にきつくなります。
ただ、眼位がずれている場合、それを自分の眼筋で正常な位置へ戻そうとするため、
普段から力が入っている状態になります。
いわゆる斜位ということになります。
斜位とは?
斜位は眼位がズレている状態を自分の眼筋で戻している状態と思ってもらえたら良いかと。
斜視と異なり、見た目ではわかりにくくなっているので、自身が斜位であることに
気づいていない方も多くいます。
見た目でわかるのが斜視、見た目でわからないのが斜位というイメージでも良いかと。
斜位があるとどうなる?
斜位があったとしても、若い時に問題ある方は少ないかなと。
ただ、年齢とともに、眼も衰えていきます。
『夕方になると2重に見える』『焦点が合わない』などの心配事がある方は、
眼科に相談してみると良いと思います。
『医者以外は診断してはいけない』『病気などの他の原因がある可能性』などの理由から、
基本的には眼鏡店ではなく、眼科をお勧めしてます。
ただ、眼鏡店はメガネを作製するための検査はできるので、
その際に斜位を見つけて、プリズムレンズを勧めることは多いです。
場合によっては、両眼視検査まで行うことも。
もちろん、一度、眼科へ行くことはお勧めしてますけど。
斜位があると何が困る?
眼に余力があるときは、特に問題ないです。
でも、その余力がなくなってくると、
『2重に見える』『焦点が合わない』『目が疲れる』などの問題に
つながります。
プリズムレンズを使うと、映像をジャンプさせることができるので、
眼筋を使わなくても、目線を正常な眼位に戻すことができます。
斜位の人は必ずプリズムが必要?
一概に、絶対に必要とは言えないです。
例えば、ΔDが強い場合、それに慣れてしまっていることもあり、
プリズムを入れた正確な度数のメガネが合わないことも多くあります。
なので、多少弱めたりすることも。
検査した度数が必ずしも正解ではないので、
お客様と眼鏡店が、ちゃんと擦り合わせることが大事かなと思います。
ただし、処方箋を持ちこまれた場合、眼鏡店は、その通りに作らないといけない義務があります。
もし、その度数に不満がある場合は、眼科の先生ときちんと話をしてもらわないと、
眼鏡店ではどうしようもないです。
まとめ
・プリズムは斜位の方に使用する
・2重に見えたり、焦点が合わないなどの時は、眼科へ
・眼鏡店で気づいてもらえることが多い
・測定した度数が正確でも、それが正解ではないこともある
・眼鏡店では、可能なら眼鏡作製技能士に聞いた方が良い
次は『買ったメガネの度数が合わないことがある?』について