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熱に弱いメガネレンズ?

豊福祐史

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テーマ:知っておくべきレンズの話

『熱に強いレンズはないか?』という質問があります。
温泉やサウナでメガネを使用したいということですが、
基本的にはないです。
稀に耐熱コートなども聞きますが、自分は仕組みがわからないので、
取り扱っている眼鏡店があれば、どういう原理でそうなるのかを聞いてみるのも良いかも。

レンズを長時間熱にさらすとどうなるのか?

レンズが長時間熱にさらされると、レンズはヒビが入ったように見えるといわれます。
ハロゲンヒーターやファンヒーター、サウナ、自動車のダッシュボードの上など、
高温の場所に長時間さらすと、ヒビ割れ状態となります。

実際に試してみると

自分で確認するため、使わないレンズを5分間、
熱風器(空焚きしたので90度くらい?)にかけてみました。

今回使用したレンズがHOYAのレンズで、詳細が不明でしたが、
HOYAは耐熱コートはないので、なんでも大丈夫かなと(多分、素材はCR39)。

結果として、完全にヒビが入りました。

ヒビの正体と原因

熱によるレンズのヒビ割れは、レンズ自体が割れているわけではないです。

レンズ基材とハードコート、それ以外の反射防止コートや撥水コートなどの
膨張率の違いが原因で発生します。
要は、膨張率の違いによって、膨張した部分と膨張していない部分に差ができ、
剝がれてしまい、それがヒビのように見えるということです。

確かに、熱ではレンズ自体が柔らかくなるので、割れるはずがないです。
ちなみに、ノンコートレンズ(こちらもおそらくCR39)の場合、
レンズは柔らかくなりましたが、15分連続でかけても、ヒビ割れていません。

ヒビ以外に問題は?

ヒビ以外の問題としては、レンズが柔らかくなることかなと思います。
柔らかくなれば、『レンズが外れる』『変形・変性して度数に変化がある』
『乱視の軸度がズレる』などの不具合が考えられます。
実際に、実験後の熱割れしたレンズの度数を、レンズメーターで確認すると、
度数は滅茶苦茶に変化してました。

結論としては、耐熱コートがあっても、レンズ自体の耐熱性が高くないと、意味がないのかなと。
どんなレンズでも高温に当てない方が無難ではないかと思います。

もし、使わない耐熱コートのレンズが手に入ったら、熱割れと度数変化の両方を試してみたいなと。

まとめ

・レンズは温度によって熱割れを起こす。
・レンズの熱割れは、基材やコートの接着面の剥がれ
・熱割れしなくても、度数などが変化する可能性もある
・ヒーターの前やサウナ、車のダッシュボードの上などにメガネをさらすのは極力避けた方が良い

次は『若い頃に視力が良かった人の老眼鏡の使い方』について

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豊福祐史
専門家

豊福祐史(眼鏡小売店)

株式会社とらや眼鏡店 メガネのとらやG-room

顧客の要望や好み、ライフスタイルに合った納得の眼鏡をお勧めしています。仕入れでは、フレームのデザインはもちろん、細かい点までもチェック。視力測定や加工などは、国家資格の1級眼鏡作製技能士が対応します。

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