【ご報告】産前産後ケア13年の歩み。「心ゆるり」が母子保健の全国表彰を受賞しました
「どこに相談すればよいのかわからない」というお母さんたちの戸惑いの声を、私は40年以上聞き続けてきました。産後の悩みは、病院に行くほどではないと思えるものほど、ひとりで抱え込みやすいものです。
私の出発点は、看護師として勤務した新生児集中治療室でした。小さな命を支えるうちに、妊娠中からの経過を理解しなければ本当の意味では支えられないと感じ、助産師の道に進みました。産科では、赤ちゃんが入院したお母さんが自分を責める姿にも接しました。赤ちゃんだけでなく、お母さんの心と体も支えなければならない。その思いが、今の仕事の土台になっています。
大分県内の国立病院での勤務を経て、福岡市内の総合病院では産科の管理職を務め、母乳外来の開設に向けた基盤づくりにも尽力しました。開業医のもとで地域の医療を学んだ後、1998年に助産院を開業。2013年に心ゆるりを開設してからは、行政と連携した産後ケアに力を注いでいます。現在は福岡県内26の市町と連携し、デイサービス型、母乳育児相談型、訪問型の産後ケアをお引き受けしています。
助産師外来には、乳腺炎で痛みや発熱がある、母乳が出すぎる、赤ちゃんが乳首を吸ってくれない、体重が増えているか心配、ミルクの足し方がわからないといったご相談が日々寄せられます。断乳や卒乳のご相談も少なくありません。
市町ごとに自己負担額が異なるため、経済的な理由で十分なケアを受けられない方がいる現実にも向き合い、休眠預金活用事業を通じて、低価格で回数制限のない産後ケアも始めました。一度きりで終わらせず、必要な時期に必要な回数だけ頼っていただける形を目指しています。
40年以上の積み重ねは、教科書には書かれていない引き出しの多さになりました。同じように見えるお悩みでも、その方の体質や暮らし方によって手立ては変わります。ネットの情報に振り回されて自信をなくしてしまう前に、まずは声に出してみてください。


