連続したデザインを彫り込む 【ガラス エッチング 扉】
昭和型板ガラスが途絶えた今、「新しい型板ガラス」をつくるという選択
* 昭和初期に普及した「昭和型板ガラス」は、1980年頃に国内製造が終了
* 現在流通している多くは海外製の復刻品
* 令和になり、再び型板ガラスの意匠性が注目されている
SNSで再注目された「昭和型板ガラス」
国内製造を終えていた「昭和型板ガラス」 レトロなデザイン人気
2019年頃、SNSをきっかけに「昭和型板ガラス」が話題になりました。
「実はもう作られていないらしい」「希少だと知ると探したくなる」
そんな投稿に、各家庭の古い建具や戸棚のガラス写真が次々と集まりました。
レトロで懐かしい。
それだけでなく、今の暮らしの中にまだ確かに存在しているガラス
として、
改めて注目された瞬間でもありました。
昭和型板ガラスは、もう作られていない
取材記事などでも語られている通り、
昭和型板ガラスは1980年頃を境に、国内での製造が終了しています。
現在手に入るものの多くは、
・当時の型を使った海外製の復刻品
・もしくは在庫品や解体材
つまり、当時日本で作られていたオリジナルの型板ガラスは、これ以上増えることがありません。
「復刻」だけが選択肢なのでしょうか
ここで、ひとつ立ち止まって考えます。
昭和型板ガラスが人を惹きつける理由は、
・中が見えすぎない
・光はやわらかく通す
・模様が空間の雰囲気を決める
こうした役割や表情
にあるのではないでしょうか。
だとしたら、
当時と同じ製法で作れなくても、
その本質を別の方法で形にする
ことは可能なはずです。
サンドブラストで表現した「型板ガラス的意匠」
こちらは、過去に製作した
型板ガラスを意識したサンドブラスト加工のガラスです。

模様を型で押すのではなく、
ガラス表面をブラストで彫り分け、
* 透明な部分
* すりガラス状の部分
を意図的に配置しています。
その結果、
視線は遮りつつ、
光はやさしく拡散し、
模様が浮かび上がる――
型板ガラスとよく似た光の振る舞い
が生まれました。
これは「昭和型板ガラスの復刻」ではありません
大切なので明確に書いておきます。
これは、
昭和型板ガラスの復刻ではありません。
あくまで、
型板ガラスが担っていた役割や美しさを、 現代の技術で再構成したもの
です。
当時の模様をなぞるのではなく、
今の住空間に合うサイズ感や密度、
新しい文様として設計しています。
「型板ガラスを設計する」という考え方
昭和の型板ガラスは、
工業製品でありながら、暮らしの背景になっていました。
これからは、
* 家の用途
* 窓や建具の位置
* 遮りたい視線のレベル
に合わせて、
模様そのものを設計する型板ガラス
という選択肢も考えられると思います。
型板ガラスは、次の時代の素材へ
昭和型板ガラスは、
懐かしむだけの存在ではなく、
これからのガラス表現を考えるヒント
をたくさん残しています。
模様を「押す」時代から、
模様を「設計する」時代へ。
令和の型板ガラスは、
もう一度、ここから始められるのかもしれません。


