住宅ローンの審査に落ちた時 3つの対処方法
住宅ローン申込み → 減額承認 考えられる原因は2つ
住宅ローンの申込みをしても、借入希望金額よりいくらか減額されて承認となるケースがあります。
その原因の多くは「申込者の内容」と「購入物件の担保評価不足」です。
今回はそのうち「申込者の内容」が原因で減額承認となるケースとその対策についてお話しします。
審査規定内であっても希望金額で通るとは限らない
住宅ローンの審査においては「年収・借入金額・返済比率(※1)」の項目があり、各金融機関にそれぞれの審査規定があります。
例えば「年収が〇〇〇万円であれば返済比率が〇〇%以内」「借入金額は年収の〇倍まで」などといった規定です。
(※1)返済比率=住宅ローンとその他のローン(住宅購入後も返済が続くローン)の年間返済額÷年収
例えば以下の内容の申込者で、ある銀行に住宅ローンの申込みをしたとします。
年齢:40代前半
年収:480万円
既存ローン:マイカーローン(年間返済額30万円)住宅購入後も返済継続
申込金額:3,500万円(35年返済)
上記の内容で銀行と保証会社の審査規定をクリアしているのですが、3,500万円では承認を取れず、例えば「3,200万円までの減額承認」となるケースもあるのです。
審査の規定内であるのになぜ減額承認となるのか?
理由は、審査に規定があってもそれは誰にでも適用できる絶対的なものではないからです。
減額承認の理由は借入申込書の記入項目にあり
借入申込書には様々な記入項目があり、例として地方銀行の事前審査申込書で説明します。
画像に番号を書いています。
ポイントは次の3つです。
①現在の家賃
②家族構成(銀行によっては子供の年齢を記入させるところもあります)
③預貯金状況
先ほどの事例のように3,500万円を35年返済で借りた場合、適用金利にもよりますが毎月の返済金額(ボーナス時返済なし)は約90,000円~100,000円でしょうか。
これに対して、先ほどの事例の申込者が以下の内容だとします。
①現在の家賃:70,000円
②家族構成:夫婦と子供2名の合計4人家族 うち扶養家族3名
③現在の預貯金:銀行にまとまった預金は特になし
そうすると審査をする側からみれば「現状で家計がぎりぎりなのでは?」「毎月の住居費が現在の家賃より2万円以上増えるのに本当に払えるのか?」といった懸念が生じてしまいます。
その結果、例えば「3,200万円であれば承認を出せるけど3,500万円の承認は出せない」という結論となってしまうことがあるのです。
それでは、借入金額が減額されることを防ぐにはどのような対策があるのでしょうか?
減額承認を防ぐための対策
減額承認は「〇〇〇〇万円で申込まれたけど〇〇〇〇万円であれば借りられます」との審査結果であり、そうなった原因は、審査をする側からみれば申込内容に何らかの不安要因があるからです。
よって減額承認を防ぐためには、その不安要因を取り払う説明や資料の添付が必要な場合があります。
説明や資料の添付が何もなくただ単に申込むだけでは、機械的な審査しかされません。
私が先ほどのような事例で対応する場合、申込者に「申込金額は審査規定に合っていますが、減額される恐れもあります」と伝えたうえで、例えば以下のようなヒアリングをします。
・住居費が今より約2万円ほど上がることについて、銀行や保証会社から何か言われる可能性があります。その時はどのように返答すればよいですか?
・配偶者も扶養家族となっていますが、全くの無職ですか、それとも扶養の範囲内でのパート収入があるのでしょうか?
住宅ローンの毎月返済額が〇万円でもそれを長年にわたって返済できるという根拠は何か、そこは申込者本人に確認しないと分かりません。
その内容を、申し込む際に私が銀行の担当者に説明をします。
そして配偶者に扶養の範囲内の収入があれば、その資料を添付します。
(収入合算者として夫婦連名で申込むのではありません)
また、事例の申込書の③では「預金」という言葉でくくられていますが、銀行の預金ではなく他の金融商品(積立投資や貯蓄型の保険など)でもよいので、あればその説明をする場合もあります。
(なお「預貯金がいくらあるか?」というこの欄は多くの銀行の事前審査申込書に設けられていますが、わざわざ書くことはほとんどありません)
まとめ
住宅ローンの審査では、一度出た結果をくつがえすのは困難です。
申込み内容が審査の規定内でも心配な点がある場合、何らかの対策のうえで申込んだ方がよいことをご理解いただければと思います。