ミレニアル世代の転職
歯科衛生士がクリニックの印象を決める
歯科医院に行く機会が増える
年齢を重ねるにつれ「若い頃から『歯』の手入れを入念にやっておけばよかった」と後悔する方は多いものです。しかし、一念発起して自宅近くの歯科に行ってみたものの、「もう二度と行きたくない」と感じてしまうケースが後を絶ちません。
その最大の要因は、実はドクターの治療技術以前に、**「歯科衛生士のスキルと接遇」**にあることが少なくありません。例えば、経験不足なのか、あるいは意識の問題なのか……。水が顔にかかる、器具が歯茎に当たって痛い、唇が切れるといった「雑な手さばき」は、患者に恐怖心を与えます。さらに、そうした手技の荒いスタッフは、言葉遣いや立ち居振る舞いといった社会人としてのマナーも欠けていることが多いのです。これは単なる個人の資質の問題でしょうか?
医院の教育体制と環境
私は、本質的な課題が別にあると考えます。それは、医師の姿勢や医院の教育体制と環境だと。
地域で愛され、長年繁盛している歯科医院には、必ずと言っていいほど「素晴らしい歯科衛生士」が在籍しています。
彼女たちは手技が丁寧で痛くないだけでなく、患者さんの不安を汲み取るコミュニケーション能力に長けています。そして何よりの特徴は、**「勤続年数が長い」**ということです。中には、一度結婚で退職した後、子育てが落ち着いてから「またここで働きたい」と戻ってくるケースもあります。
なぜ、そこまでスタッフが定着し、育つのでしょうか?
院長の姿勢がスタッフを作る
そういった歯科医院では、院長自身が非常に勉強熱心であり、かつ「人を育てること」に投資を惜しまないという共通点があります。
院長が技術や知識の研鑽に励む背中を見ていれば、スタッフも「適当な仕事はできない」「もっとスキルを上げたい」と自然に感化されます。また、復職を受け入れる柔軟な体制や、スタッフを尊重する風土があるため、心理的安全性が保たれ、結果として患者さんへの接遇も余裕のある温かいものになるのです。
逆に言えば、衛生士の態度が悪い、定着しないと嘆く前に、**「スタッフがプロ意識を持てる教育や環境を用意できているか?」**を経営者として問い直す必要があります。
「たかがクリーニング、たかが接遇」ではありません。患者さんは、ドクターと接する時間以上に、衛生士と接する時間を通じてその医院を評価しています。
優秀な歯科衛生士は、勝手に育つものではありません。医院全体で「患者満足度」を高めるための教育研修を行い、プロフェッショナルを育てることが、結果として安定した医院経営への最短ルートとなるのです。
貴院のスタッフは、患者さんに「また来たい」と思わせる対応ができていますか?



