「マル付け病」の蔓延と治療法
さて、今回は、具体的な勉強方法について、お話いたします。
以前、「勉強の要は、数学にあり」的なことをお話いたしましたが、そのバックには、やはり「国語」が存在します。ん???どういうこと???と思われる方もいらっしゃると思います。具体的に説明していきます。
とある小学6年生の算数の問題で、「ある数に6をかけて答えを求めたかったが、あやまって6で割ってしまったので、答えは1/9になった。正しい答えを求めなさい。」というものがありました。
こういう問題で、算数の力を図りがちですが、実は、国語力が試されている問題なのです。いろんな生徒に解かせると、「問題の意味がわかりません!」という生徒も多いのが事実です。また、「ある数」を求めて、そこで終わっている人も少なくありません。
要するに、1/9に6をかけることで、「ある数」を求めて、さらに6をかければ、正しい答えがでます。
中学受験問題でもなく、普通に小学校の教科書に掲載されている問題です。
つまり、実際に国語力をアップするために勉強としてやるべきことは、「算数」・「数学」であり、「国語」の勉強は、あまりする必要がないという結論です。
現に、当塾では、小学6年生まで、漢字と簡単な文章問題を中心に、国語の授業をやっておりますが、中1、中2と、国語の授業はやっておりません。
では、どこで「国語力」を養うかというと、それは、ずばり「普段の生活」にあります。
ご家庭でどのような「会話」がなされているか?自分でどのように「考えているか」がポイントになってきます。当塾では、授業中に、私の方から、話題を振ることがよくあります。生徒とのコミュニケーションをかねてなのですが、私の質問に対して、どのように答えてくれるか?も見ています。
こちらが期待している内容を、答えてくれるか?が大切になってきます。全く的外れな答えをする人もいれば、質問の意味が分かりませんという人もいます。また、得意な分野については、聞かれていない知識も披露してくる生徒もいます。
これは、主に社会や理科の記述の問題に重要なポイントです。つまり、「質問されている内容をコンパクトに的確に答える」ことと、「余計なことは書かない」ということです。
この訓練が、国語力アップの最も大切なステップであると考えています。
もちろん、中3になると、「入試」は力だけではなく、「限られた時間でパフォーマンスを出すためのテクニック」も必要となるため、国語の授業をたくさん取り入れていきます。
この、コミュニケーションが上手になっていく人ほど、成績が全体的に上がる傾向がみられるのも確かです。
中には、私と直接コミュニケーションをとること自体が苦手な生徒さんもたくさんいます。その場合は、私の質問に対して、頭の中で答えを考えて文章化するだけでも、訓練になります。その後の私の会話の中でヒントや考え方をつかんでいけば、成長していくわけです。
ご家庭でも、このような機会をできるだけ設けてみてはいかがでしょうか?