「三面鏡が、スタイルミラー(姿見)に大変身・・・!」
目次
「マイベストプロ愛媛のコラムを見ました。」
K様が見てくれた私が書いたマイベストプロ愛媛のコラムです。
「歳をとったので、永年置いてある座卓も高座卓にして椅子式で使いたいです!」
香川県高松市・K様からお電話でお問い合わせをいただきました。
リノベーション作業前/カリン一枚板座卓をお預かりしました。
県外のため、K様とは事前に、LINE公式アカウントを利用して画像やご希望を教えていただいたうえでお預かりさせていただきました。
TOKI家具館メンテナンスのLINE公式アカウント
K様のお座敷で永年お使いいただいていたのは、カリン材一枚板座卓です。
その高さはおよそ35cm!
一枚板天板はそのままで、脚を新しく製作し高さを63cmにリノベーションしていきます。
リノベ-ション作業中①/脚材の木取り→木工加工
材料の選定~木取り
K様へ新しく製作する脚は、和家具づくりでよく使う硬いタモ材を使います。
タモ材は、野球のバットづくりにも使う耐久性のある木材です。
横切り盤・手押しかんな盤・自動かんな盤など動力機械を使い必要寸法で木取りをしました。
気を付けているのは、脚が完成した時を思い浮かべて、材料の天地・内外などを墨付けしておくことです。
圧着作業~面取り加工など
K様のカリン材一枚板天板は、長さ2mもある大きなものでしたので、高座卓用脚は、普通よりも太めで作ります。
1本の脚に対して3本の材料をプレス機で圧着します。
接着剤をローラーで塗り、できるだけズレが出ないようにマスキンテープで仮固定しておきます。
約1日の養生期間を経て完全乾燥しますと、動力機械の手押しかんな盤で面取り加工をしました。
K様の高座卓用脚は、幅12×奥行9,5cmもある太めで作り、角面は安全性と機能性を考慮して角度を付けて面取りしました。
すべての木工加工ができますと、最後に水引きしました。水引きをすると、木工加工中にできたかもしれない “目に見えない程度の打痕などの凹み” が膨れてきます。
リノベ―ション作業中②/塗装作業
下地着色、着色用ステインの選定
木工加工ができますと、研磨作業を経て、塗装作業に入ります。
いつも迷うのが、下地着色に使う着色用ステイン選びです。
「原色のまま使う!」、「いかに調合するか!」をテストして決めています。
K様の高座卓用脚には、玄々化学工業製 アクアAPステインのマホガニ色(水性)を使うことに決定!
下地着色~ウレタン樹脂塗装
玄々化学工業製 アクアAPステインのマホガニ色(水性)を刷毛塗りしていきました。
写真中央部に置いているのが、いろいろとテストして使ったものです。
細い桟木に脚を立てて、細部まで塗り進めました。
下地着色ができたら、ウレタン樹脂塗装のサンディングシーラー×3工程・調色作業・ウレタンフラット×3工程(各工程毎に#400の研磨紙で研磨作業を含む)まで仕上がった状態です。
リノベーション作業中③/脚の取り付け作業
取り付け用治具(補助的な道具)づくり
写真右が高座卓脚の取り付け用座金で、写真左が4本の脚に取り付け用座金を均等に取り付けするための治具(補助的な道具)です。
天板ウラに取り付け用の穴は、一枚板天板の収縮に対応できるように大きめに開けています。
まずは、治具(補助的な道具)の開口部にクランプで仮固定します。
この仮固定は、少しの力での締め付けで良いため、ソマックス製ジュニアFクランプを使いました。
治具(補助的な道具)に仮固定した取り付け用座金を、開口部に合わせて脚に固定していきます。
一枚板天板ウラ面への取り付け作業
椅子6脚を無理なく出し入れできるように、脚間を考えて脚の取り付け位置を考えました。
リノベーション作業後/K様へ納品しました。
高座卓へリノベーション作業後の様子(高さ:63cm)
香川県高松市・K様のお座敷に、リノベーション作業が仕上がった高座卓と椅子6脚をお届けできました。
リノベーション作業前の座卓の様子(高さ:35cm)
お預かり前に撮影させていただいたカリン材一枚板座卓です。
K様へは、天童木工さんの畳擦り板付き椅子T-3125WBーBXをご紹介しました。
座敷などの畳の部屋には、畳擦り板付きの椅子を選ぶことが大切ですし、この畳擦り板付き椅子はスタッキング機能もあり、とっても便利なんですよ・・・。
K様、県外のご遠方より、やりがいのある仕事をいただき、写真撮影にもご協力くださりありがとうございました。土岐泰弘
あいテレビさんの『SDGs学園PLUS』で放送されました。
TOKI家具館メンテナンスの仕事ぶりが、わかりやすく学校の授業形式で放送されYouTubeにアップしてくれました。
あいテレビ『SDGs学園PLUS』
私が考えるリノベーション家具とは・・・
永年使ってきて思い出や愛着はあるけど、年齢や生活様式の変化によって不便になってしまった家具に、大小さまざまな加工を施して・・・
①現在、必要な家具に作り変える!
②少しでも便利で安全に暮らせるように作り変える!
③再資源化して一度材料に戻し、まったく違う必要な家具に作り変える!
これからますます、リノベーション家具の製作に力を入れていきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。土岐泰弘