「大きなテーブルを小さくできませんか・・・。」
「大工さんが取り付けたカウンターの高さが75cmなんです。」
西条市・H様から、カウンターチェアのお問い合わせをいただきました。
H様は、会社の福利厚生施設で使われるカウンターチェアと普通のダイニングチェアを同じ椅子で揃えたいとのことでした。
一般的なカウンターチェアの座高は、カウンター天板の高さが、80~100cm用が多く、ダイニングチェアの座高は、ダイニングテーブル天板の高さが、68~72cm用が多いため、75cmのカウンターだとちょうど合う椅子が少ないと思われます。
リノベーション作業前①/私がお勧めしたのはこの椅子です。
H様へ私がお勧めしたのは、日進木工さんのフォルムスチェア NBC-452チェアです。
カウンターチェアには、この椅子の座面下に3cmの桟木を取り付けるというリノベーション加工を施します。
日進木工さんのフォルムスチェアの座面は、X型の骨格に取り付けされていました。
リノベーション作業中①/座面の取り外し
椅子のフレームから座面を取り外していきました。
座面を取り外す時に注意する点は、複数脚ある椅子の座面を元通りに戻すための墨付けです。
この椅子の座面は、板座のため木目方向も揃えなければ、仕上がった時にきれいではないため、マスキングテープでナンバー打ちをしました。
リノベーション作業中②/座高アップのための桟木づくり
この椅子は、日進木工さんのFC色(チェリー色)のため、桟木はブラックチェリー材を選び木取りしました。
1脚分の桟木です。この桟木を、フレームに取り付けできるように加工していきます。
今回の仕口(接合部の加工)は、“相い欠き接ぎ” にて加工しました。この仕口(接合部の加工)は、2本の桟木を共に欠き取り接合させるため “相い欠き接ぎ” と言います。
2本の桟木を重ねると、写真のように接合できます。
椅子のフレームに取り付けする穴開け加工をして、電動工具のトリマーにて面取り加工をしていきました。
ウレタン樹脂塗装(クリアー)をして完成した桟木を、椅子本体に取り付けしました。2枚目の写真と比較すると、桟木を取り付けたことがよくわかると想います。
リニベーション作業後/H様へお届けしました。
この写真の右側が座面を3cmアップさせた椅子(座高47cm)で、左側が標準の椅子(座高44cm)です。
右側の椅子の座面下には、桟木が取り付けられています。
H様へお届けしました、リノベーション加工したカウンターチェア・6脚です。
H様にお届けしました、テーブル席には標準の椅子をセットしました。
同じ空間で使われるカウンターチェアとダイニングチェアは、リノベーション加工することによって同じ椅子を使うことができ統一感が出たと想います。
H様、ご依頼いただき、写真撮影にご協力いただきありがとうございました。
「仕事の基本は、人様のお役に立つこと・・・!」
TOKI家具館メンテナンスでは、「可能な限りお客様のお役に立ちたい。」と考えています。
同じ家具店でも、大型量販店様やネットショップ様のように、大量の品揃えや低価格の追求では、当店のような小規模事業者は、到底お客様のお役に立つことはできません。
そのため、既製品の家具を単純に右から左へ販売・配送するだけでなく、既製品の家具にさらに手を加え、お客様が少しでも使いやすくなるリノベーション加工に力を入れています。
自動車で例えますと、「オプション品の追加やカスタムして、より自分仕様にする」
といった感じに近いと想います・・・。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。土岐泰弘