アンチフラジャイル思考を身につける方法
私たちは、待ち時間が長くなると、ただじっとしていることに耐えられなくなります。例えば、エレベーターを待っているとき、無意識にボタンを何度も押してしまったり、レストランで料理が運ばれてくるまでスマートフォンを触ったりするのは、その典型です。
人間の脳は「何もしない時間」を苦痛と感じるため、何かしらの行動を取ることで落ち着こうとします。これは、仕事の場面でも同じです。例えば、会議の開始が遅れると、参加者はメモを見返したり、雑談を始めたりします。ただ待たされるより、何かに取りかかる方が安心できるからです。
この心理をうまく活用すれば、仕事の生産性を向上させることも可能です。待ち時間を「準備時間」ととらえ、次の行動を考えたり、優先順位を整理する習慣をつけることで、無駄を減らすことができます。人材育成においても、何もせずに待つのではなく、小さな行動を積み重ねることの大切さを伝えていきたいものです。