「人が育つ瞬間」シリーズ~自分の強みに気づいた瞬間③~
職場でよく耳にする「どうせ」「でも」「だって」といった「D言葉」。これらは、知らず知らずのうちに相手の気持ちを萎縮させ、成長の芽を摘んでしまう可能性があります。たとえば、部下の提案に「どうせ無理だよ」と返せば、挑戦の意欲を削ぎます。「だって時間がない」と言い訳すれば、問題解決の道を閉ざします。「D言葉」は否定や逃避の表現が多く、職場全体の信頼感や活気を損なう要因になりがちです。
では、どうすればよいのでしょうか?
鍵は、「P言葉」、すなわちポジティブな言い回しに切り替えることです。「どうせ」を「まずは試してみよう」に変えると、行動の背中を押せます。「でも」を「その上で」に置き換えれば、相手の意見を尊重しながら建設的な対話が可能です。「だって」を「確かにそうですね。ただ…」にするだけで、共感と提案のバランスが取れます。
人材育成の観点では、言葉の力は人を導く大きな武器です。言葉を変えるだけで、チームの雰囲気が明るくなり、新しいアイデアやチャレンジが生まれやすくなります。成長を支えるコミュニケーションとは、まずは「D言葉」を手放すことから始まると考えています。